BLです。
ご注意下さい。
いきなりすっっっっごい久しぶりの更新に至った経緯。
ここまで書いておいて何故載せてなかったんだ?という不思議なな書きかけを見つけてしまい、今更なんだけど…有難い事に待ってる方もいらっしゃるし、悩んだけど載せておきます。
何年振り?!レベルなんでもう忘れてるだろうけどぉぉ…ご興味ある方いらっしゃったら読んでみて下さいm(_ _)m
でもこの続き書けるかなぁ…(´・ω・`)←それはそれで鬼やw
載せ逃げになったらごぶべなざい(×ω×(((🤛グェ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈にのあい学パロ
「なぁ……なんだょ、ココ…」
「ええ場所だと思わんかー?」
「…べつに……普通なんじゃない?」
やっとの思いで振り絞り出た言葉は
ただの強がりだった。
「たまたま見つけてな……ええやろ?」
「何が言いたいんだよ」
「んー……ただ、俺よかなぁ
おまえのが気に入るんやないかなって?」
気に入る…か
いや、衝撃のが強いって
一瞬、時が止まったような錯覚が起きるくらい…
すばるがどうしてもと連れて来たかった場所は
あの公園にとても良く似ていた。
2人で飽きもせず通ったあの場所に。
沢山の思い出が詰まってるせいか
フラッシュバックが起きる度に胸を締め付ける。
それでも、小高い丘の上から眺める位置にあるのはフットサル用のコートだし、そこから聞こえてくるのは聞き慣れたドリブルの音では無い………と
必死であの場所とは違う所を探している。
ちがう。ちがうから。
似てるけど全然違う…
それでも地面に縫い着いてしまった動かない足は
結局、日が沈むまでどうする事も出来なかった。
ずっと突っ立ったままの俺に
すばるは何も言わずに付き合ってくれる。
先に帰って良いと言ったのに
すばるは近くにあったベンチに座って
時折、鼻歌混じりに優しい音を紡いでいる。
それがなんでか段々と泣けてきて
ツンと鼻の奥を刺すような感覚と
ギュッと締め付け続ける胸が和らぐのを待った。
「なぁ…暗くなってきたし
本当に帰ってて良いから………すばる?」
「……おん」
「……ハァ」
何度言ってもそこから離れようとしないすばるに
俺の方が観念した。
諦めると今度は無性にすばるに話したくなった。
それが懐かしい場所に来た錯覚を起こしたからなのかは分からない。
「…………あのさ、ウチの姉ちゃんって、そこそこ綺麗じゃん?」
「…は?そこそこじゃないわ
かなーーーりのべっぴんさんや!」
「あ、そう…?まぁ、そうだとして
その割にはやたらと男運が最悪なのよ…」
「へぇ…そうなんや」
「そ。ほんっとね……そのせいで、なんか…
昔なんだけど俺を巻き込んだ事もあったんだって」
「覚えてへんの?」
「ぜーんぜん?物心ついたかついてないかの頃の事なんて覚えてるわけないじゃん」
「まーなぁ…」
「でも姉ちゃんはずっと忘れらないのよ。その事が…トラウマになっちゃって、心まで壊れちゃって……」
「…責任感強そうやもんなぁ」
穏やかなトーンで相槌を返してくる彼の表情は
姉の事を想ってか、少し歪んでいた。
「なぁ……すばるはさ、生涯焼き付いて離れないような記憶ってあったりする?」
「んーー?……ぃや、無いんちゃうかなぁ」
「他人からしたら些細な事に映るかもしれないけど…一生涯支配されてくんじゃないかって…永遠に抜け出せないんじゃないかって…そういうの」
「キョーレツな思い出って事やな」
「まぁ…未遂ではあったみたいなんだけどね
そのせいであんなに俺に過保護なの、ウチの姉」
「……重たいのぉ」
何故自分にそんな話をしたと言いたそうな、苦い顔と、分かりやすいくらい辛そうな顔を出したすばるに内心、ホッとした。
嫌な反応で返ってこない事に安堵したんだ。
「フフッ……別に聞き流してくれてもいいよ
なんか今、急に誰かに言いたくなっちゃって」
「そりゃ選ばれた事を光栄に思わんとな」
「ンハハッ……うん。
きっとおまえだから話せたんだろうな…」
緊張感のある顔で冗談を言ってくれるような
そんな空気を作ってくれるおまえだからこそ
話せる気がしたんだと思う。
俺と姉は15離れていた。
父は物心つく前に、ある日突然居なくなったという感覚だった。
だから母が女で一つで家を守り、
姉は離れた弟の面倒を見るのが当たり前で
俺の母親代わりみたいなもんだった。
そんな姉が20歳の頃に初めて出来た年上彼氏は
姉とのデートに俺を連れて行ってくれるような人だったし、とても優しくしてくれた。
でも何時しか家に来なくなり、それから暫く
泣いている姉を時折見るようになった。
俺を強く抱き締め「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返す姉の泣く姿が嫌だった。
悪いのは自分じゃないのに、なんで姉は謝るのだろう。
そしてその時期から、俺と仲が良かったまーくんと遊ぶ事を姉は毛嫌うようになったせいもあり、姉に反抗的な態度を取るようになっていった。
俺自身はその男が遊んでくれた記憶はあるのに
嫌な事をされたという感覚も無かったし
断片的な記憶しか残ってはないけど
自分のせいで弟を危険な目に遭わせてしまった事や
初めて心を許した人からの大きな裏切りに
姉が傷付き 心が壊れてしまったのを
歳を重ねながら少しずつ理解した。
でも、姉が社会人になってひとり暮らしを始めると
俺は自分の生活リズムを取り戻すようにまーくんとずっと一緒に居た。
そして高校生になり、まーくんと付き合う事になった時は、絶対に姉には言えないと思った。
知られたらきっと姉は傷付くと思ったし、何がなんでも俺とまーくんを引き離すと分かっていたから。
まーくんと沢山の幸せな思い出が俺にはあるけど
まだあの日に捕らわれている姉には、どうやったって理解して貰えないから…だから、俺達の関係がバレた時が終わる時だと思っていた。
案の定、転勤で渡英するから付いてきて欲しいと姉から言われた時、どうしても嫌だとは言えなかった。
俺が今ココに居るのは傷付いた姉と向き合わずに
自分の気持ちだけを優先してしまったツケなのかもしれない。
まだあの時の事が、今でも姉を苦しめているのは確かなのに。
泣いてごめんなさいと繰り返す姉に俺は
何と言えば良いのかずっとわからないでいた。
結局俺は、姉をどうしてあげる事も出来ず
まーくんを裏切っておいて
何がしたかったんだろう…
「ん……そんで?」
「ぃや。てか、おまぇ…何してんの?」
「うん。なぁ…このまま一曲書けそうやぁ」
降りてきた歌詞をスマホに打ち込んでいるのか
携帯を打つ手が止まらないすばるに深いため息が出る。
「…おまえに話した俺がバカだったわ」
「せや。俺に話して馬鹿馬鹿しくなったか」
「……別に、どうせ俺の独りよがりだし
聞いたって困るような話を聞かせたね…ごめん」
「ちゃーうねん!そーゆー事やないやろ?
そもそもな、話しをする相手を間違えとるっちゅー話しや!」
「相手…?」
「その他に話したって意味無いんやで?
おまえの気持ちを受け止めるのは1人しかおらん」
話さなきゃいけない相手はただ1人…
「……そんな資格、もぅどこにも無いよ」
俺が全部壊したんだから……
「そうやったとしても…
それを決めるのはお前やない」
図星を突くよう言葉に何も言えなかった。
.
続
になるといいな…←