多くの人たちが「幸せ」を求めて、それを得た感触が得られず、また得たつもりでもつかのまの感触で、再びあくせくとした日常を生きています。「幸せ」はお金、地位、名誉、容姿といった目に見えるもののなかにあると思っているうちは、永遠に得られません。

  「幸せ」は豊かさでもあるのですが、豊かさを「物」のなかに求めているかぎりはかなく消え去ります。欲求は満たそうとすればするほど終りがなく、心の餓えははげしくなります。豊かさは形のなかにあるのではなく、自分の感性のなかにあるからです

  「こうこうこうなれば、私はもっと幸せになれるのに」と思いますが、それは生きる上での目標であり、手段であって幸せの条件ではありません。「幸せ」とは別なのです。「幸せ」は過去・現在・未来にはありません。私たちが生きて感じているのは、「今」なのですから、幸せは「今」にしかないのです

  今、あなたが喜びにつつまれていれば、それが「幸せ」であり、今、あなたがお気に入りの音楽を聞いていれば、それが「幸せ」なのです。おだやかなひと時、のどかな散歩、ふと目にするきれいな草花、月の光、ちょっとした親切、あたたかな言葉、大地をうるおす雨など々・・・。

  私たちが心の奥底から求めているのは、本当はシンプルなものであり、そして今、そしてどこにでも横たわっているものなのです。未来やどこか遠くに求めても「幸せ」は決して見つけることはできないでしょう。「幸せ」は目覚めであり、気づきなのです