小学5年生になる義子の息子にラグビースクールに通わせている。
ほぼすべての日曜に練習、試合、大会参加が加わり、土曜や火曜にも練習日がある。
息子は私に小学4年の初めにスクールに通わせ始めたが、未だに面白さを感じれることがないのか、なかなか足が向かない。
何が嫌なのか問うと、
”時間が長い”
ということだった。
週末の練習時間は5時間に及ぶことも稀ではなく、日曜祝日はほぼ練習試合や大会参加に費やされ、丸一日消化される。平日火曜の練習は2時間ほどなので、問題はないのだが、やはり週末の練習や試合に出ないことが続くと、試合にでることがどんどん難しくなっていく。
息子も夏休み明けにピアノの演奏会の練習のために、2、3カ月ほどスクールに参加できなかったのだが、これから参加しようとしてもおそらくゲームには出してもらえない。チームとしてはその時期は、6年生との合同練習も始まる時期もあったため、すでに全体練習も進んでおり、けがの恐れもあるし、今からでは難しいとのことだ。息子もあまりやる気はないので、試合に出なくても練習だけでもいいみたいだが、、、
パパコーチ達は、ラグビーを教えるのに熱心な方が多く、仕事で重ならない日以外はすべてスクールの練習や試合に参加しているようだ。
熱心なのは素晴らしいことだが、大きな声で発破をかけたり、やる気がみられない子供たちに対して、貶すような言葉を吐きかける人もいる。おそらくパパコーチ本人は、元気を出させようとする体育会系的な声掛けだが、子供によっては逆効果にもなることがあるとおもう。
練習や試合によるこの長い拘束や上位下達的な組織は、私自身も高校大学とラグビーをやっていたので、とても窮屈な息子の気持ちはよくわかる。
こんなにラグビーに時間を割いていたら、他の塾や習い事もさせられないし、家族でピクニックやハイキングにもなかなか行けない。
小学生の時くらい、ラグビーをスポーツを単純に純粋に楽しくやらせてあげられないものか、と思う。
スクールの子どもの中にはお父さんの期待に応えるため、そこまでやりたくない気持ちを抑え耐えて、練習に試合に頑張っている子がいると思う。また高学年になると、中学受験をさせるために塾に通う子も増え、練習に参加できなくなる子もいて、両立することが難しくなる。
ボールを持って走ったり、蹴ったボールを追っかけたりすることは、どんな子供でも楽しいことだ。そういう楽しみは、長時間参加型のスポーツクラブでは難しい場合があると思う。
今回のW杯のラグビー日本代表は、今までかつてないほどの長時間練習、ハードな練習内容という、いわゆる’根性練習’をしたらしい。しかし、前回大会の予選突破はできなかった。
海外の全体練習は、どのスポーツでもどの学年、大学、社会人でも、2時間以上することはまれだという。
ましてや小学生の間に、5時間もの拘束時間は長すぎると思う。集中力も持たない。帰宅しても疲れ果てて何もしないで寝てしまうだろう。
小学生スポーツの目的について、もう一度戻るべきだと思う。
まず、第一にスポーツを楽しむということ。これが絶対条件。
そして、次にスポーツを通して、人間的に心身ともに成長するということ。
何が問題であるか考え、そしてどのようにすればいいのか、やってみて、うまくいかなければ、また考えそれらを繰り返し、困難を乗り越える力を養う。それは個々個人でもやれるようにすべきであり、チームスポーツでは集団でそれらをやれるように皆で話し合う。
このようなことを繰り返し、問題解決に対峙できる大人に成長する布石を作る。中にはリーダーシップを発揮できるような子もいれば、うまくサポート役として役回りすることで充実感も得られる子もいるだろう。
試合に勝つ、大会に優勝するなどは、小学生のレベルでははっきり言って、二の次だといいたい。(体育会系部活大好きパパコーチの前ではいいづらいが、、、)
体を動かす練習は半分にして、子供たちだけで話し合ったり、考えさせたりというところにも時間を割いてほしい。
高校や大学、社会人になれば、スポーツをしたくてもできなくなるのは、それぞれの自身の人生の選択ともなり仕方ない面があるが、子供のころなら、ピアノも塾もほかのスポーツもいろんなことを体験させてあげさせたい。
そこで経験した少年少女期のスポーツへの楽しいイメージは、その後それを選択できなくても、素晴らしい宝物として、彼ら彼女らの心に宿るはずだ。
単純に楽しくスポーツをやらせてあげたい、そういうクラブチームができるといいなと思う。