透析導入3週目

 

すこしずつ透析ライフが日常になってきた。

 

もう、透析をしないと生きていけないという体になってしまった喪失感と、今までいろいろ仕事に生活に頑張ってきたが結局何一つ成すことができなかった無念の気持ちで、淡々とこの透析の日々を送っている。

 

透析を始めて、今気になっていることといえば、透析後半で血圧が180まであがってしまい、帰宅途中はなんだかふらふらしてしまう。普段は140前後なのだが、頭痛などがあったりうまく眠れない朝にはやはり170くらいまであがってしまう。下の血圧も100以上になるので、血管の劣化というよりは交感神経系またはレニン系が関与しているのか

 

他の気になることといえば、体重が落ちてきたことだ。体重が60㎏を割ってしまった、165㎝の自分は、60㎏以下になったのは高校生以来だ。体脂肪率も6%になってしまった。贅肉もないが、筋力がほとんどなくなって、本当にスリムな高校生になった気分だ。ここ半年、尿毒症と体の浮腫みで体重は75㎏まで上昇し、食欲も低下し、これ以上体重を増やしたくない思いもあって、食事量もへらしてきたのだが、透析が始まって、もう食べていいはずなのに、肝心の食欲が戻らない。体力も落ちた。

美味しいと思っても、たくさんたべると胃がつかれる。出される一皿の半分程度が適量となってしまった。数年前までは、夕方になれば何を食べようと考えたり、大食漢で有名だったのに。

お酒もかなり弱くなり、ビール一缶が適量になってしまった。これ以上飲むと翌朝気持ち悪い。かつては友人と何時間も飲んだり食べたりすることもできたが、もうできない。

技師さんは、透析が始まると食欲が増すといってたが、また食欲が戻るときがくるのだろうか。

 

在宅透析を今後導入しようと思い、今のクリニックに通っているのだが、正直本当にできるのだろうかと思っている。スタッフさんは、皆口をそろえて今まで導入できなかった人はいないと言っていたが、実際はいろいろ困難があるだろう。

まず、自己穿刺が難しい。自分の場合前腕遠位部のシャント吻合手術がうまくいかなかったため、吻合部が前腕真ん中より近位部のところにある。穿刺血管ポイントの一つが肘内側にある。通常送血に使うところだが、この血管がまだ発達していないため、まだ血管内腔が狭い。そして血管が肘にかかっているため、肘の盛り上がりを上るような走行をしているため、穿刺は少し上向きを意識して刺さなければならないはず。

麻酔科をやっていたため、血管穿刺は単純だが難しいものとわきまえている。実際に、経験豊かなスタッフによって今まで9回の穿刺施行をしていただいたが、2回は失敗となっている。8割の成功率である。自己穿刺の場合、内向きでかつ少し針を持ち上げ気味に穿刺するという芸当を毎度やらなければならない。

 

マンション住まいの自宅に透析が入ることで、生活スペースが狭まってしまったりすることも、なんだか家族に申し訳ない。

 

排水管の設置、電気工事など、いろいろ乗り越えなければならない課題もある。

 

ただ、在宅透析導入がうまくいかなければ、通常の施設透析になるだけことだ。ただそれだけのことだ。