★★★★

1. Will Be feat. Ras Al Guru
2. Cray Man feat. OMSB
3. Creature
4. Hands feat. DyyPRIDE
5. Freshness
6. Cheez Doggs feat. JUMA
7. Hill feat. KKD, DDR
8. Boom Boom
9. Ghost feat. Junk a.k.a. JuJu The Beats
10. DaRaDaRa
11. Better feat. RAU DEF, MARIA
12. 船出 ~New Country~ feat. 田我流
13. Flava

SIMI LABの元リーダー、QNによる3枚目のフルアルバム。6月15日発売。

昨年グループとしてフルアルバムを出したので今後は更に各メンバーのソロ作品のリリースがあり、近いうちに各々が進化して集結した2枚目のフルアルバムが…なんて妄想をしいた人も多かっただろうが、いつの間にかQN在籍での実現はほぼ不可能な状況になっていた。

奇しくも本作は結果的に、そんな現SIMI LABとQNとの(ひょっとしたら)最後の時間がパッケージングされた作品になってしまった。

正直トラック、ラップ共にQNよりもOMSBの方が好みだったが、試聴機で聞いたところ1曲目から心を奪われて急遽購入。初めてQNのソロ作品を聴いたが、ホントにクセになる曲ばかりで飽きる事が無い。
トラックがSIMI LABのファーストから格段に進化していて、驚いた。

一方ラップの方も歌詞を聞かすと言うよりはグルーヴ重視のものになり、“訛り”まっくたフロウで歌詞の聞き取りがかなり困難なものになっている。
ここは好き嫌いが分かれるところだろうが、彼の作り出すトラックがシンセを多用した流行りの煌びやかなものではなく、サンプリングを多用した温かみのあるものなのでラップとの親和性が非常に高く、歌詞の意味を理解出来ずとも気持ちよく聞けてしまうのだ。

やはりMVも作られたキャッチーなサビが耳に残るM-6を筆頭に、「パイセンディスりコンビ」として今後の活躍が期待されるRAU DEFとのM-11がディープな本作の水先案内となり、次第に他の曲にも慣れ親しんだ頃、QNが示す「New Country」がおぼろげに見え始めたところでアルバムは終える。

上記の2曲はDJやラッパーであるJUMAとMARIAがそれぞれサビで歌っているのだが、楽曲を制作するプロ―デュースもさながら、人を起用する意味での「プロデュース力」にも長けているな、と感じさせる1枚。

QN 『New Country』