正直全然期待してなかったんです.
どうせ最後にちょっとマグリット置いて,あとはーって感じでしょー
って.

でもそんなこと全然なかった.
収蔵品展までしっかり合わせてあって,息がとまるかと思った(まじで


第1章:アカデミスム、外光主義、印象主義

オルセー展から印象派ずくしで,スタートからまたかー
ってなると思ったら大間違い.

全体的にとにかく色が暗くて.
印象派ってキラキラしてて,それが人気じゃないですか.
スーラとか,ルノワールとか.
そんなキラキラ全然ないし.
どよーんとしてるのが好み.

・ルイ・アルタン 海景

スタートからこの暗さに引き込まれました.
これぐらいさびしい方が.


・フランツ・クルテンス 陽光の降り注ぐ小道

木漏れ日がここまで綺麗に描けるんだっていう感動
でもなんかキラキラしてないので,見やすいです.


・ヤン・ストバーツ
ウォリュウェ川の底ざらい
バラのシャワー

輪郭がここまでぼかされてて,人物が完全に周りと溶けてる.
でも底ざらいの方は写真みたいに現実的なのが不思議.
バラのシャワーは逆に現実的な部分を取り去った感じ.
記憶を絵にした感じ?


・アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ 洗濯をする女
点描ってあんまり好きではなかったのですが,やっとやりたいことが分かったって感じ.
これ自身は長い線ぐらいの集合で書かれてるんですが,確かにそれが光になってるように見えた.


第2章:象徴主義とプリミティヴィスム

・ヴァレリウス・デ・サデレール フランドルの雪景色

ブリューゲル風っていうのはわからなかったけど,この暗さと寂しさがぐっと響いてくる.
風景画ってあんまり見ないんだけどね.
隣にあったコンスタン・ぺルメークの冬景色と合わせてとても響きました.


・レオン・スピリアールト 自画像

ぐっときたのは二枚目の方.
鏡にひたすら自画像がうつってる感じ.
イメージ的にはシュルレアリスムに近かったの好みだったのかも.


第3章:ポスト・キュビスム:フランドル表現主義と抽象芸術

キュビスムあんまり好きじゃないのよね….
ピカソとかさ,さすがに理解できない.
ここに結構枚数があったので,ざっと休憩しながら飛ばし見しました.

・フリッツ・ファン・デン・ベルヘ 人生

キュビスムでしか描けないだろうなぁっていう物語になってる.
重いなぁ.


第4章:シュルレアリスム

・ポール・デルヴォー バラ色の蝶結び

どこら辺がバラ色なのか.
希望が1ミリもない世界が素敵.


・ルネ・マグリット 復讐 9月16日

この二つ,そりゃ期待してたけど,その何倍も良かった.
前で見たら息出来ないほど引っ張られます.
かなり長い時間見てました….


全体的には作品数が少なくて,あまり好きでない人には物足りないかも.
でもなんていうか,ツボに入ったらものすごいって感じ.
もちろん図録買っちゃいました!


で,それよりも,収蔵品展がやばかったんですよ….

幻想の回廊
http://www.operacity.jp/ag/exh121.php


まさか相笠昌義の「みる人」をもう一度見られると思わなかったし
(損保ジャパンの美術館で一度見て感動してたから)
川村悦子の「冬の旅Ⅱ」とか,
若手育成展覧会の川見俊もとても面白かった.
ここの収蔵品展,いつも流し見だったのに.
今回ばかりは脱帽.


もう全体ですごく満足だった….
これはもう一回行きたいかも….


展覧会名:
 アントワープ王立美術館コレクション展 ベルギー近代美術の殿堂 アンソールからマグリットへ
会場:
 東京オペラシティアートギャラリー
スケジュール:
 2010年07月28日 ~ 2010年10月03日
ホームページ:
 http://www.operacity.jp/ag/exh120/
入場料:
 一般 1,000円、大学・高校生 800円、中学・小学生 600円
開館時間:
 11:00から19:00まで
金曜日は20:00まで, 土曜日は20:00まで
休館日:
 月曜休館.祝日の場合は翌火曜日休館

だいぶ前から期待していたカポディモンテ美術館展にやっと行けました!
どうしても住んでる方面が新宿方向なんで,上野とか,現美とかって遠いんですよ.
いやでももうアンテアにあんなに見られてしまうともう行くしか….

Ⅰ イタリアのルネサンス・バロック美術

・コレッジョ「聖アントニウス」
2枚目からこの衝撃かよって.
ふかーく引き込まれるような目が印象的

・パルミジャニーノ「貴婦人の肖像(アンテア)」
写真とかパンフで見るより全然衝撃が.
ただの肖像画にはない魅力がたくさん.

・バルトロメオ・スケドーニ「キューピッド」
個人的にこの展覧会の一押し.
暗い中に溶け込んでいくような羽と体が印象的.

・グイド・レーニ「アトランテとヒッポメネス」
すごい極端に不自然で整った構図.
で,この大きさ.で,ストーリー性.全部スゴい.

Ⅱ 素描

美術的知識がない私としてはちょっと休憩.
じっくりゆったり見ました.

Ⅲ ナポリのバロック絵画

・アルテミジア・ジェンティレスキ「ユディトとホロフェルネス」
今回はこれを見に行ったんです.
圧倒され続けて,終盤にきてのこの衝撃.

・マッシモ・スタンツィオーネ「聖アガタの殉教」
・フランチェスコ・グアリーノ「聖アガタ」
絵だけ見てると同じモチーフだと思わなかった.
前者は沢山のものが詰め込まれていて,それぞれの役割が気になる.
後者はとにかくその魅力.官能性.

・パオロ・ポルポラ「クリスタルの椀のある静物」
普通静物画って深いとか,暗いとかそんな印象持たないと思うんだけど.
絵のせいなのか,他の絵のせいなのか.


全体としては構成がシンプルでとても見やすかった印象.
作品数は少ないですが,一点一点が大きいので十分.
終わった後常設展の展示で補えるしね.

もっと勉強したくなった今日この頃でした.


展覧会名:
 ナポリ・宮廷と美―カポディモンテ美術館展 ルネサンスからバロックまで
会場:
 国立西洋美術館
スケジュール:
 2010年6月26日(土)~9月26日(日)
ホームページ:
 http://www.tbs.co.jp/capo2010/
入場料:
 一般1,500円(1,100円)、大学生1,200円(800円)、高校生700円(500円)
開館時間:
 午前9時30分~午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
休館日:
 月曜日(*ただし、7月19日(月)、8月16日(月)、9月20日(月)は開館、7月20日(火)、9月21日(火)は休館)
初近代美術館でした.
実は工芸館が本館かと思ってましたw

もう気が付いたら明後日までですね.
安いから,近くまで行った人は入ってみる価値絶対ある展示です.

建築ってことで一般の人は避けがちですが,理論のある現代アートみたいな.
アーティストが日本人だから何なのか,「セシル・バルモンドの世界」の100倍楽しめました.

サイズや比率をずらした模型とか,
赤い光線?を布に当てて楽しめる部屋とか
映像作品もあったりします(よく見るとリアルタイムでびっくり)
もっと作品数見たかったけどそれはわがままというもの.

あ,常設展も見ましたが一個も止まらずに出てきました.
こっちはあんまり興味がないかな….


展覧会名:
 「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」展
会場:
 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
スケジュール:
 2010年4月29日(木)~8月8日(日)
ホームページ:
 http://www.momat.go.jp/Honkan/where_is_architecture/index.html
入場料:
 一般 850円、大学生450円(250円)
開館時間:
 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
休館日:
 月曜日[2010年5月3日、7月19日は開館]、5月6日(木)、7月20日(火)