“社会というこの耐えがたい規律、この幻想的で横暴な威信は、個人の心のもっとも深い部分にきわめて自由な衝動を少しずつ呼び覚まし、外部の自然や自分自身にたいするきわめて大胆なまなざしを生み出す。さらに社会は、かつてのような目立ちたがりやで露骨な精神の特性、すなわち野蛮な個性ではなく、特色にあふれると同時に洗練され、深みとニュアンスをそなえた精神、すなわちきわめて純粋で力強い個人主義と高度な社交性をいたるところで開花させる。しかし、それが個人を解放することにあまり役に立たないというのであれば、われわれはこの社会という長きにわたる集合的夢想――というより、たいていの場合は集合的悪夢――が、どれだけ血や涙を流すに値するものなのか、疑問に思うことだろう。”
ガブリエル・タルド『模倣の法則』
