土曜日の朝、母から電話があった。
近所のデイサービスに行っているおばあちゃんが、
体調を崩してセンターから連絡を受けたという。
母は土曜出勤中で、どうしても抜け出すことができないため
センターにおばあちゃんを迎えに行って、
そこから病院に連れて行って欲しい、ということだった。
その時点で10:45頃。
私は思いっきり寝ていて、ベッドの中だった。そこから準備をしてセンターに向かう。
お昼過ぎにセンターにつくと、おばあちゃんは休憩室で寝ていた。
貧血のようなものを起こしたようだったが、その頃にはほぼ回復していた。
ただ、ずっと頭が痛いと言っていた。
職員の方が、既におばあちゃんのかかり付けのお医者さんに連絡をして下さっていて、
14:45に診察の予約が取れていた。
頭痛もあるし、しばらくそのまま横になっていてもらって、
14:30頃になったらクリニックに向かうことになった。
おばあちゃんが寝ている間、ヒマだったので椅子に座ってぼぉっとしていると、
隣の部屋から職員の方の声が聞こえてきた。
このセンターには、認知症のクラスとそうでないクラスがある。
うちのおじいちゃんは、おばあちゃんと違って認知症ではないので、
こちらのクラスで活動をしていて、ああおじいちゃんは普段どんなことをしているのかな?
と興味が出てきてしばらく聞いていた。
どうやら、カルタをしているらしい。職員の方がカードを読み上げる。
そして、それを聞いていて笑いが止まらなくなってしまった。
「せ~」
「世知辛い世の中だ」
(ザワザワとカードを探す声)
「それじゃあ次のカード読みますよ~」
「す~」
「酸いも甘いも知っている」
・・・
・・・
・・・
よ、世悟りカルタなの?笑
1時間も寝ていると、おばあちゃんの体調もだいぶ回復してきた。
病院に行くまでにはまだ30分ほどあるので、部屋に戻って活動に参加したいという。
おばあちゃんのクラスは認知症のクラスに所属していて、
こちらのクラスは、どちらかというと自分で何か活動をするというよりは
職員の方が、学校の先生のように何か話したりするのを
みんなでテーブルをぐるっと囲んで座ったまま聞く感じだ。
その日は、職員の方が羽子板で羽根つきをしていた。
それをおばあちゃんをはじめ、みんなで数えていく。
職員の方は10回を目指すもなかなか上手く行かず、
その度にみんな笑ったり、残念がったりする。
一通り終わると、職員の方がみんなに質問をした。
羽の黒い玉の部分を持って、「これはなんというか知っていますか?」と聞く。
みんな無言。
私も答えは分からなくて「なんだろう?」と思っていた。
誰も答える人がいなくて、職員の人がそろそろ答えを言おうとしたその時。
ばあちゃんが答える。
大きな声で答える。
「ホクロ。」
ホ、ホクロー!
職員の人も、一瞬目を見開いていたのを見逃さなかった。
そして「ホクロにしては、ちょっと大きいですね」と言った。
だ、ダメだ、息が苦しい・・・
ばあちゃん、最高だよ・・・
そんな斬新な答え、全然思い浮かばなかったよ・・・
ばあちゃんも来月で91歳。
だいぶ弱ってはきたものの、まだまだ自分で生活出来る。
やっぱり長生きにはユーモアのセンスが不可欠らしい。