今日のブログは先週の水曜日に書いたものです。

 

今日はアスクルの財務諸表を覗いてみました。5日前に倉庫での火災が発生してから、未だに火災の鎮火できていないという事です。倉庫の広さが縦240メートル横100メートルという事ですから、なかなか水も届かないようですね。早く鎮火すると良いですね。下が財務諸表です。

 

 

 

 

 アスクル

 

 

 

 

 

まず、全般的に見まして大きな特徴はないですが、設備投資に力を入れている事と利益率が高いという事を感じました。まず、上から見ていきますと総資本回転率が2.26倍あります。最近見てきた財務諸表では1倍を切っている会社が多かったので、久しぶりに1倍を大きく超えた会社です。この数値は小売業という事に原因があります。小売業では薄利多売の形になる場合が多いですから、その分商品の回転期間が短く売上額が高くなる傾向にあります。

 

 

 

 

 

ただし、先に書きましたようにアスクルは利益率も高いです。一般的な小売業では限界利益率が低くなりがちですが、アスクルの場合には大量仕入などにより原価を安く抑えられる為に利益も出せているだと思います。利益率を表すROAROEが高い数値になっています。

 

 

 

 

 

また、貸借対照表を見ますと流動比率と固定長期適合率から短期的に安全であるのが分かります。長期的な安全性を表す自己資本比率から数字だけでは若干低めにも感じますが問題はありません。

 

 

 

 

 

右の損益計算書を見ますと営業利益と経常利益及び税引き前利益の金額が殆ど違いがありません。これらから余計な事には手を出さずに本業だけに絞った経営を行っているのが分かります。財務諸表を見ましてもとても堅実に商売をしているのが分かります。

 

 

 

 

 

また、ここからでは分かりませんが、設備投資にお金を掛けて、固定資産全般が有効に活用されている事が財務諸表から読み取れます。これらからサプライチェーンの効率化を徹底的に図っているのだと予想されます。

 

 

 

 

 

Amazonを筆頭に楽天やYahooなどネット通販や通信販売会社はどこも設備投資にお金を掛けているのが分かります。特にAmazonは毎年の最終損益がギリギリで赤字を計上するまで設備投資にお金を掛けています。

 

 

 

 

 

また、アスクルが始めた翌日配送のサービスなども現在では当たり前になっていますが、いかに注文から配送までの流れを効率化出来るかが重要になります。特に注文および取り扱い商品が多くなれば多くなるほど、ソフトウェアや倉庫などの固定資産への投資が重要になってきます。

 

 

 

 

 

また、Amazonの商品などは配送料金が無料の場合も多くあります。特にAmazonの倉庫から発送される商品に関しては、Amazon自身で物流システムを抱えていますので無料です。資産にものを言わせたAmazonの差別化です。一般消費者でも特にネットの消費者は値段の安さを重視します。その中で配送料が一番のネックになります。そこで、配送料無料にする事で一層Amazonを利用させるという仕組みです。同様にAmazonが使っている配送業者もそれだけ配送料金を叩かれているのが分かります。以前まで佐川がAmazonの配送を請け負っていましたが、あまりの請負料金の安さに撤退し現在はクロネコと日本郵便が請け負っています。このようなネット通販が熾烈な競争を行なっている状況により物流業界では忙しくなる上に賃金が全く上がらない状態ですから、日に日に従業員が減っている状況にあるようですね。最近は失業率の低下にともなって肉体労働をやりたがる人が急激に減っている傾向にあります。物流、農家、建設会社などの労働者の高齢化は顕著です。今の状況が今後も続けばネット通販や通信販売会社はドローンや自動運転など何か策を講じる必要が出てくるように思います。