実在するウネとは似て異なりますのでご了承下さい!m(_ _ )m
〇ウニョガ=ブーシュカ・ウニョクちゃん
〇ドンヘ=ブーシュカ・ドンヘちゃん♪
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ドンヘは何度目かの寝返りをうって、溜め息を漏らす。
『どうしよう。眠れない…』
眠ろうとすればするほど目が冴えて、昼間のキボムの言葉がリフレインする。
『オレ、ずっとウニョガが好きだと思ってたけど…違うのかな。キボムの言う通り、刷り込みなのかな…。キボムに先に認められてたとしたら…ウニョガじゃなくキボムを好きになったんだろうか……』
考えれば考えるほどドンヘには答えが見えずに、気持ちだけが沈んで行く。
『もしそうなら、オレこのままウニョガを縛り付けたままでいいのかな…。ウニョガに失礼な事してるんじゃないのかな』
さっきから同じ思考の繰り返し。
離れた方がいいんじゃないかって気持ちと、このままでいたい気持ちと…何が自分とウニョクにとって一番いいのか考えあぐねて、又堂々巡りを繰り返す。
『分からないよ。ウニョガに抱きしめられると、涙が出そうになるほど胸がいっぱいで幸せだったはずなのに…。オレ、どうしたらいいんだろ』
不意に涙が溢れてきて、オレは布団を被ってギュッと目を閉じる。
『明日、部活でウニョガに会ったら…オレ、どんな顔すればいい?』
重くのしかかる不安に押し潰されそうで、ドンヘは溜め息と共に又寝返りをうつのだった。
結局、一睡も出来なかった。
おかげで授業中に何度かうつらうつらしてしまったオレを、キボムが心配そうに見ていたけど…。
「ドンヘ、もしかして寝てないの??顔色も良くないし…昨日、俺が余計な事言ったの気にしてるなら…」
「ううん、違うよ!キボムのせいじゃないから…。この所、身体は疲れてるのに眠れない事が何度かあってさ☆コンテストの事考えると、つい緊張しちゃって……ははっ、情けないな~」
わざとおどけて見せると、キボムは悲しげに笑った。
「そう…なら、いいんだけど」
「変な気を使わせちゃってごめん!キボム、今日はお昼どうする?」
「天気がいいから中庭行こうか。ドンヘが眠くなったら、芝生で寝られるし」
賛成~♪ってはしゃぐふりをして、オレはキボムと中庭に向かった。
「えっ!?ドンヘ、それだけ??」
栄養補助食品のゼリー飲料を流し込むオレを見て、キボムは目を真ん丸にして驚く。
「今日は睡眠不足だから、食欲なくてさ。でも、食べないとバテちゃうから、せめて…って思って」
「その考えは理に適ってるけど、出来れば固形物もとって欲しいかな☆ドンヘ、あ~ん!」
「え?あ~ん」
つい条件反射で口を開けると…。
「んっ!?」
キボムが優しく口の中に何かを入れた。
「あ☆さっぱりしてて、美味しい!!」
「レモンチキンだよ。もっと食べる?」
「うん!これなら何個でも食べられそう♪」
「はい、あ~ん♪」
「あ~ん♪キボム、又料理の腕上げたね~☆」
「お昼にドンヘにおかずのお裾分けするのが、俺の細やかな楽しみだからね。 そのうち、リョウクのレベルに追い付くかもよ?」
「それは凄いね~♪期待してるよ~!!」
ふふって笑って気がついた。
『あれ?オレ笑ってる☆あんなにモヤモヤしてたのに…』
お腹がいっぱいになったら、又睡魔が襲って来た。
「ん~、キボム☆オレ、少し寝てもいい?」
「いいよ。ほら、俺の膝に頭乗っけていいから」
キボムはさり気なくドンヘの頭を自分の膝に導くと、身体を横たえさせる。
「えへへ、膝枕って気持ちいいね~♪キボム、重くない??」
「大丈夫!鍛えてるから☆」
「…キボム、ありがと…」
「お休み、ドンヘ」
暖かい陽射しと心地よい風がドンヘの意識を朦朧とさせる。
遠い昔、誰かに同じ事をして貰ったような気がして…ドンヘは無意識に安堵の溜め息をつくと、そのまま眠りへと落ちて行った。
放課後、部室へとキボムと話しながら向かう。
扉を開けると、皆揃って話し込んでいた。
「ドンヘ!!」
ウニョクが笑顔で走り寄って来て、いつものようにドンヘを抱きしめる。
「……!!」
「……!?」
途端に感じた違和感にウニョクは一瞬、戸惑った。
『今、ドンヘ身体を強張らせなかったか…?』
いつもは嬉しそうに安心しきってウニョクの腕に身体を預けていたはずなのに…。
「ウニョガ、痛いよ…」
知らず知らずのうちに抱きしめる手に力を入れてしまっていたらしい。
痛がったドンヘがウニョクの腕をスルリとかわす。
「あ…あぁ、ごめんな」
「ううん、大丈夫」
目を伏せて笑うドンヘに、ウニョクの中でますます違和感が大きくなる。
『なんで今日は俺の目を見ないんだ?ドンヘ…』
言いようのない不安がジワジワとウニョクを覆って行く。
「じゃあ、皆揃ったし練習始めよっか!」
ソンミンの掛け声で、ウニョクはふと我に返った。
『きっと、俺の思い過ごしだ。踊ればすぐに忘れられるだろ』
ウニョクは気を取り直し、練習を始めたのだが…。
「又、タイミングずれたよ☆」
「なんか、今日は上手く息が合わないね…」
ソンミンとシウォンが心配そうにウニョクとドンヘを見つめる。
「ごめん!オレのせいだ」
ドンヘが肩で息をしながら呟く。
「ドンヘ…お前、随分息が上がってるけど、大丈夫か?」
ウニョクが怪訝そうに問う。
「実はドンヘ、ここの所不眠症であまり調子良くないみたいなんだ!」
堪らずにキボムが助け舟を出す。
確かにいつものドンヘより肩で息をしていたし、汗もかなりかいていた。
「えっ!?そうなの?ドンヘ少し休んだ方がいいんじゃ…」
心配したソンミンがドンヘの顔を覗き込む。
「心配かけてごめん!でも、大丈夫だから。もう一回、最初からお願いします☆」
ドンヘの気迫に押されて、皆が自分の配置に戻って行く。
「ドンヘ、調子良くない時は無理しない方がいいよ」
キボムが肩に手をかけて諭すように言うと、横からウニョクがその手を掴んで挑むような眼をして言い放つ。
「ドンヘが大丈夫って言ってんだから、もう一回始めからやるぞ!早く自分の持ち場につけって」
「だけど…!」
睨み合う二人にドンヘが口を開く。
「キボム、オレは大丈夫だから☆位置について!」
「…ドンヘがそう言うなら」
諦めて自分の立ち位置に戻ると、曲が流れてダンスが再開された。
ウニョクに必死について行こうとするのだが、やはりワンテンポ遅れてしまう。
『くそっ☆今まで出来てたはずなのに、なんでだよ!?』
ドンヘは焦りを感じ始めていた。
次は二人で高速ターンをするはずだったのだが、急に立ちくらみを覚えてドンヘは身体がふらついてしまう。
「危ない!!」
それまで黙って事の成り行きを見守っていたキュヒョンがいきなり叫ぶ。
ドンヘは回転するウニョクにぶつかって弾き飛ばされてしまった。
慌ててドンヘの腕を掴むキュヒョンだったが、ドンヘの身体は自分の腕をすり抜けて壁に背中から叩きつけられた。
「ドンヘ!!」
キボムとウニョクが同時に叫んで駆け寄る。
「…うっ」
ドンヘは苦しげに眉を寄せると、そのまま意識を失って壁をずり落ちて行く。
「ドンヘ、しっかりしろ!ドンヘ!!」
部室には、ウニョクの叫び声と皆のドンヘを呼ぶ声が木魂していた…。



つづく
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練習中に倒れてしまったドンヘ。
このままウニョクと擦れ違っていってしまうのか…。
次回も二人を見守って頂けましたら幸いです。m(_ _ )m
※画像お借りしました☆有難うございます。