星素子展示『館林バトン&エアハグ』は、館林美術館「たてびレポートー開館20周年を楽しむ展覧会ー」の“美術館の今、アートを楽しむ” 展示として展示室1を舞台に展観されています。11月7日まで!写真:インスタレーション作品「館林バトン」。展示室1への陽光により床はしぜんな夕焼け色に。

 

こんにちは。星素子(現代美術家/言葉アーティスト)です。

3回目の作家REPORTをお届けします。

 

星素子展示『館林バトン&エアハグ』では、空間(景観や陽光、大理石の床の反射等)を活かしたインスタレーション作品《館林バトン》(参加型アート)をはじめ、学校ワークショップ授業や地域ワークショップ等のエデュケーション・プログラムやバトンプロジェクトを貫く軸であり作家の文脈や背景を伝える新旧の「言葉アート」作品、コロナ禍の日々の探究から生まれた新シリーズ《エアハグ》など約50作品を展示しています。

 

公開制作を交えながら展示は変化しつづけ毎週アップデートしています。10/9(土)10(日)の公開制作では、秋の深まりとともに作品も色づきはじめました。

☆次回公開制作予定日: 10/16(土)17(日)☆

 

星素子展示『館林バトン&エアハグ』公開制作より。一昨年パリや東京での展示などでお披露目した作品の技法もアレンジしてひらいています。「オレンジジュースみたい♪」「夕焼けみたい☆」とキッズたちがワクワク伝えてくれました。

 

晴れの日、曇りの日、雨の日。天気によっても展示作品は表情を変えています。館林市日本遺産「里沼」に浮かぶ蓮をイメージしたインスタレーション作品「館林バトン」は夕陽を映して水面(床)がオレンジ色に染まりました。その上空(天井)には、渡り鳥(紙ロール芯)が群馬県のカタチにフォーメーションしながら、すわーっと里沼上空をわたっているよう。作品名《鳥》

 

多くの来場者は作品素材が「トイレットペーパー」のロール芯であることに驚かれています。中之条ビエンナーレ2019「中之条バトン」展示の際も約3千個の再利用ロール芯を使った参加型インスタレーション展示に「うわっ…!」と声を上げて入ってこられる来場者さんが多かったなと思い出します^^)そして1つひとつの素材を見ると“未来に手わたしたいバトン”であることに気づかれて、漢字に想いが込められた1本1本のバトンを時間をかけて鑑賞いただいた後、ご自身で1本つくって参加されていく方もおられます。(館林バトン参加者のみなさま:バトンは繋がっています♪)この地、この時だからこその人と自然の魅力が映るバトンの展示には「参加できるBOXゾーン」でマイバトンをつくって投入いただけます。※週末公開制作で作家が展示に加えています。

 

おかげさまで会期は中盤。2回、3回とご自身のバトンや展示の変化を見にきてくれる方もおられて、鑑賞者のみなさまと一緒に展示をつくっているんだなと私自身この貴重な機会を楽しんでいます。また中之条ビエンナーレ2019で中之条バトンを体験された方も続々とご来場いただいていて(感激♡)2年前との違い(すごい発展してる!!/中之条とはぜんぜん違ってびっくりした/深みが増している…等)驚いておられました。また中之条バトンを体験していただいた方と思いがけない再会もつづいて…参加型アートを開拓してきてよかったと心底思いました。それと同時に、まだ会っていないけれど、話もしていないけれど、作品を通じて1人ひとりのご来場の鑑賞者さんとつながることができていたらいいなと想っています。

 

時期や場所が変わると、インスタレーション作品も変わります。

「軽み」がある、「侘び寂び」が感じられると公開制作中の私に近づいてきてひと言だけ伝えにきてくれた方も。(幼少時から稽古で親しんできた茶道の影響です)そしてご意見の多かった「深み」については今回「言葉アート作品」、特に初期の「言葉アート素ことば」作品も数多くセレクトして展示していることにも起因しているようにも思います。

 

言葉アート素ことばには味方や読み方の制限はありません。タテ・ヨコ・ナナメ…自由に漢字を感じて。

 

00年代の星素子のマスターピース(ともいわれる)「言葉アート素ことば」初期の作品。2010年に青山スパイラルで展示した際「公開選評」で審査をされたフランスの画家マリアンヌ・ザッキ氏に「私は長い間、美術の世界にいるが、このような作品は見たことがなく深いインパクトを受けた作品は初めてだ。原始的であると同時に現代的。技術もある…以下省略)」と称していただきました。

 

星素子「AFTER 3.11」ジクレー版画。2013年に極寒の北海道美瑛で参加型インスタレーション「空は穴かんむり(空をみる装置)」シリーズをおこなった際の作品(夜空が見えています)に2011年の東日本大震災を機ににつくった素ことばを組み合わせた作品。震災を機に、自分がアートで何ができるだろう?と内省しワークショップを軸に「体験」をつくる参加型アートに舵をきりました。本展を機にインスタレーションの術を磨き展開しながら平面作品も向き合っていこうと思いました。先日、新たに新作のカンヴァス作品1品が展示に追加されましたのでよかったら会場で見つけてみてくださいね。

 

星素子 MotokoHoshi「移動性」

2019年にパリ(サテリットギャラリー)で発表して好評いただいたモビール作品の高さを3倍にして展示しています。いつも会場でゆらりゆらりと揺れていて、会場のうちそとを楽しんでいるようにも見えます。会場で見つけたらひととき和んでいただけたら幸いです。

 

--------------------- SPECIAL PHOTO GALLERY (恒例に!?) --------------------------

 

展示にご来場いただいた「boraさん」と「山崎彰浩さん」からすてきな写真をお贈りいただきました!ありがたく活用させていただきレポートさせていただきます。

 

■PART1[工芸家 boraさんの写真編]

 

小学生のお子さん、お楽しみいただけたようです。ありがとうございます♡

微かにくるくるまわる「バトンの林」を五感をとぎすませて探索中♪

公開制作で彼女は頭と心を高速回転してゲーム感覚で楽しみました♪

たてびレポート「ジュニアガイド」。展示室1でもご用意しています。

館林美術館には水に囲まれたすてきなレストランカフェがあり

「ワッフル」や創作「スイーツ」など人気のようです♪

 

 

■PART2[山崎彰浩さんの写真編]

 

曇りの日の展示風景と作品の写真を独特の空気感でとらえていただきました。「詩情」(ポエジー)が感じられてほっこり癒されております。ありがとうございます!

 

星素子《ガラスの素ことばバトン「はっする」》

ガラスにいれた気泡文字の小宇宙。

この作品は写真で撮るのは難しいと思っていたので

美しく撮っていただき感謝☆

 

星素子インスタレーション《バトンの林》

 

曇り空も水面のような床に映ると青空のようです。

 

星素子作品「エアハグ-里沼」(アサンブラージュ)2020年のコロナ禍を表現した言葉アート素ことばと、2021年に館林市の日本遺産「里沼」(多々良沼)で撮影した写真を融合した本展示のイメージ作品。

 

鏡面ステンレスの沼に映っている鋳造活字の向きまで

気づいていただき感動です…☆

 

boraさん、山崎彰浩さん、ユニークな視点での

すてきな写真をありがとうございました!

 

※もし「ブログで紹介OK」という星素子展示・作品の写真を撮られた方がおられましたらご一報くださいませ!

 

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「ミュージアムショップ」でも作品や日常使えるアイテムを取り扱っていただいています。次回はミュージアムショップの様子や、館林の地元企業(誠和製作所)さんとの取り組みから完成した作品もご紹介できたらいいなと思っています。星素子の作品をお選びいただいたお1人おひとりに心からありがとう。

 

作家が手刷りシルクスクリーンでつくった「エコバッグ」も取扱中です☆先日ツートンのミニトートも納品しました。モデルはミュージアムショップのスタッフさん。いつも笑顔の対応ありがとうございます。

 

TAKEO PAPER ,comに展示とミュージアムショップでも取扱中の「活版作品」を紹介いただきました。

 

 

10月中旬も、たてびレポート 星素子「館林バトン&エアハグ」展示とブログをお楽しみいただけたら幸いです。だんだん肌寒くなってきましたので風邪などひかれないよう気をつけて味わい深い2021の秋を☆☆/

 

☆おまけ☆

 

バトンは小さなメディアです。

 

1967年にマーシャル・マクルーハンは著書で「メディアはマッサージ/メッセージ」だと述べました。時代はすすみ、2021年の現在、あらためてその言葉を意識しています。いま館林美術館の展示室1「館林バトン&エアハグ」では、小さな「バトン」という個々のメディアから、多様なメッセージや館林の自然や現在の人間の想いや魅力が、コンテンポラリーに互いに関係し繋がりながら発信されています。

 

会期1週目頃の「里沼バトン」ZONE。館林市内の施設14カ所でBOXを置き集められた、館林市日本遺産「里沼」をテーマにしたバトンたち。

ここにも会場の参加型BOXで集められた新しいバトンがどんどん追加されています。

少年は目の前に広がる多様なバトンを見て何を思っているのでしょう。

 

星素子の言葉アート作品は視覚詩(知覚詩)ともいわれています。もしまちに詩情(情緒)が足りないと思っている方がおられましたらお声がけくださいね。作品をつくりに参上したいと思っています。また、星素子のバトンプロジェクト(参加型アート)は地域とアートを、こころ豊かにつなげる試みでもあります。言葉アートを軸に開発したエデュケーション・プログラムをもちいた学校ワークショップ授業も承ります。

 

さいごまでお読みいただきありがとうございました☆

 

 

 

 

 

すべてに☆感謝