安比高原は寒いです。すでに我が家の薪ストーブは稼働中
点いてない画像だけど・・・・・。これがないとこっちで冬は無理です。
灯油ストーブ?その場しのぎですねぇ・・・・。
今年は暖冬だというがさてどおなることやら。
すべての工程が終わり最終調整に入ります。
まずは始動させて暖機運転を行います。
暖気をする前にキャブレターの最初の調整をします。
真ん中のタンクアッセンの3つの穴、Lが低回転調整のLニードル
Hが高回転調整のHニードル、そしてLAと表記のある丸い大きな穴が
アイドルスクリュ。
キャブレターオーバーホールを終わらせた際、
組付け時にタンクアッセンに接触しないように
L・Hニードル、アイドルスクリュの3つを締めこみました。
始動させる前にこのうちL・Hニードルの2つをメーカー指定分
反時計回りに開けます。これを基準開度といいます。
基準開度がわからない場合はメーカーに問い合わせましょう。
(Lニードルは1回転 Hニードルは3/4~1回転
同キャブレターを使用する 026 も同じ)
特にLニードルは先に指定分回しておかないとアイドリングせず停止、
回しすぎると高回転状態になり破損に繋がります。
もしLニードルを指定分回しても指導しなかった場合は、
燃料ホース周りの点検とスイッチ・イグニッション周りの点検をして
再度始動を試み、それでも尚駄目な場合は
Lニードルを前後に1/8~1/4回して再度指導してみてください。
これでも始動しない場合はキャブレターの故障の可能性大です。
さて、暖気運転に移ります。通常5分ほどですが、
現在安比高原は10度前後と低いので10分長く暖気します。
始動した直後にアイドルスクリュを調整する為ドライバーを用意します。
初爆の後に始動してアクセルを握ると通常ソーチェーンが止まりますが、
アイドルスクリュが締めこんで有る為、回り続けます。
まず回り続けるソーチェーンを止める為、アイドルスクリュを
半時計に回して止まる所まで開けます。
ソーチェーンが止まったらその状態で暖気運転します。
この時通常より回転数が高く、暴れるので置く場所に注意
暖気が終わり、いよいよ本格的な調整に移ります。
必要な道具は ドライバー そして、
使用するのはこの手の製品で日本国内で知られる
OPPAMA(追浜工業)のエンジンタコメーター PET-304
最終調整の エンジン回転数の調整 にタコメーターは必需品です。
これを使わずに勘でやると間違いなく壊します。
ちなみにこのPET-304はチェーンソーの様な単気筒2ストエンジンから
汎用4ストエンジン搭載の小型農機 更に単気筒バイクまで
対応しています。(詳細はメーカーサイト対応エンジン一覧を参照)
いままで中華製の物を使用していたのですが、小型農機が増えて
汎用エンジンの計測には非対応だった為、こちらを購入しました。
以前の物はこちら
Felice バイクメーター デジタル タコメーター 電源配線不要 2スト 4スト チェンソー も Felice 013
ハスクバーナのマニュアルには回転数の表記はありますが、
タコメーターを持っていない人でもできるように聴覚だよりに
勘で調整する方法?みたいな説明があるのだが、
絶対音感でも回転数はわかんねえよ・・・・。ただ高い低いだけで。
チェーンソーの回転数調整をやるなら最低上記の中華製でも
用意することを強くお勧めします。
さて暖気が終わり、アイドリングを調整していきます。
スチール 024 そして 026 の回転数はメーカー指定で、
アイドル回転数 : 2800rpm
最高回転数 : 13000rpm となっています。
手始めに暖気終了直後の状態で測ると、指定値を超えてますが、以外にも3000rpm以下でした。
(画像は配線未接続の接近状態で計測してますが、
正確に計測するなら必ずタコメーター付属のクリップ&コードを
接続する。)
始動直後のアイドルスクリュのみ調整すると通常は
軽く3000rpmは超えます。開けすぎたかな?と思い少し戻して
3000を超えた状態にしました。
ここで私はこの状態で一度エンジンを止めてチョークはそのままに
再始動してLニードルを調整します。(この行動は個人的な判断)
タコメーターで計測した状態で、Lニードルを半・正回転で1/8~1/4回し
回転が上がる上がらない際の部分を見極めその位置で固定します。
次にアイドルスクリュを再度開け閉めします。
ここでアイドル回転数を最終設定します。
アイドル回転数はメーカー指定で 2800rpm ですが、
きっちり2800rpm もしくは 前後に設定するのではなく
あくまでアイドリング状態での 最高回転数 と思ってください。
それ以上に上がってはいけないがギリギリに合わせてはいけません。
回転数には常に波があり、使用していれば当然熱くなりアイドル状態でも回転数は上がっていきます。作業後にアクセルトリガーから指を放してもアイドリング状態で回り続けるのは長時間の連続運転による温度上昇が原因、特に夏季はよくある。ではどうするのかというと、
例として、私が以前整備した ゼノア G4200Pを参考にします。
マニュアル内には、調整の際の指定表記に
アイドリング回転数 2500~2900rpm
と 上下400rpmの範囲で表記されていました。
この範囲で収まるように調整しろということで、おさまりのいい位置
ベストな数字は ±200rpmの真ん中の位置 2700rpmが
理想と判断し調整しました。
では このスチール 024 の場合 同じやり方で数値を出して
調整すると、アイドリング回転数の最低回転数は
2800rpm-400rpm= 2400rpm
範囲 ±200の位置の真ん中は 2600rpm となる。
では、これを目標値としてアイドルスクリュを回します。
Lニードルの調整が終わった状態で回転数が
最高回転数を上回っていれば、アイドルスクリュを開け回転数を
目標値まで落とし、最低回転数を下回っていれば、
アイドルスクリュを締めて目標値まで上げる。
これで目標値まで近づけて、最後に機体を 横・垂直・斜めの姿勢で
置いて様子を見てエンストしなければアイドル調整はOK。
次はHニードルを調整して 最高回転数を設定します。
メーカー指定は 13000rpm ですがここでもアイドル調整と同じように
波の範囲を想定して調整します。
ゼノア G4200P を参考にすると 14000rpm~15000rpm と
1000rpmも差があります。
ゼノアのチェーンソーは最高回転数が他のチェーンソーと比べ高いです。
024で 同じ範囲に調整すると 回転数が落ちすぎると判断し、
今回は 上下500~600rpmの範囲で ±250~300rpm
真ん中 12700~12750rpmで設定しました。
調整するときはまず一度アクセルトリガーを一杯引き、
現時点での最高回転数を計測します。
注意として10秒~それ以上フルスロットルのままだと高確率で
焼き付きますので、これ以上上がらない所まで確認したら直ぐに
アクセルトリガーをはなしてください。
アイドル調整とは違い ニードルを回して握る を繰り返して計測し
目標値に近づけます。
高回転の設定は、最初は1/8づつ回して調整していきますが、
目標値に近づけば1mmニードルを回すだけで相当変わるので
回しすぎに注意してください。
最高回転数が指定値より高いのはシリンダー焼き付きによる破損等の
リスクがあり危険ですが、低すぎてもいけません。
その個人的な理由として私の357XPで体験した話をします。
357XPの最高回転数は 14000rpm と 024より高く
手に入れた当時、最高回転数が高いことにビビり自分でHニードルを
調整して13000rpm以下に調整しました。
伐採作業が終わり清掃して燃料抜きをして終了。
翌日、作業の為リコイルを引いてみると、
リコイルは引ける・圧縮有るのに動かない。 ???????
なんだ?どうして?マフラーを外して除くと・・・・
焼き付きではない深い縦傷 明らかに異物でついた傷
手に取って間もないしメーカー指定のXPオイル使用の燃料を使用
硬いタールや燃料硬化などありえない。
仕方なく開けてみたら原因は・・・・、
ピストンピン用ニードルベアリングが バラバラ になり
クランクケース内に散乱、部品を集めてみるとすべて揃わず
足りない分がクランクケースから飛び出しピストンとシリンダーの間に
挟まり傷を付け、傷でできた隙間からそのままマフラーから
出て行ったと思われる。
そのあとエンジンの回転数調整について自分なりに調べた結論
回転数が中途半端だとエンジン内の振動が増していき、
熱と疲労により破損のリスクが上がると答えを出し
一番ベストな位置に合わせることが重要であると思った結果が
現在の私の調整方法です。
ニードルベアリング自体がハズレだったのではないか?と
言い切れないが、上記の答えは自分で出したものではあるが、
すんなり納得してしまった。
さて、調整が一通り終わったら 私の場合は最後に熱くなりすぎた
エンジンを止めて少しクールダウンしてもう一度始動して、
最終チェックをしてズレがあれば再度調整、なければ終了。
以上で今回の スチール 024AVEQ 94年製の整備は終了です。
結果として、この024は復活しました。作業にも使えると思います。
しかし、万全とは言えないです。
理由として最後の回転数調整のアイドル回転数の調整です。
最高回転数は問題なく目標値・範囲内に固定できました。
しかしアイドリングを調整した後、エンストはしないのだが、
波の上下が激しすぎて不安定に振動する。±400ぐらいか・・?
(暖気終了直後の回転数の低い理由に納得)
こんなことは普通はない。
念の為どこからか2次エアーを吸っているのかチェックする為
キャブからクランクケースまで燃料を並々注ぎ、漏れをチェックしたが、
漏れが見つからない。
今まで整備していて一番候補にあがるのは キャブレター
今回シリンダーを開けてないので中を確認してないが、
漏れも確認できず、高回転は出せるという状態なら
回転数が激しく波打つアイドリングの不安定はキャブレターだと思う
私はキャブテスターを持っていない為、キャブレターの診断ができないが
2次エアーをどこかで吸っていると高回転は永遠に回転数が上がるか
もしくは停止するのでこれが一番可能性が高いと思う。
キャブのオーバーホールの際も傷がついてはいけない部分に
傷が見られたのでより濃厚に見ている。
しかし、それをどうするかは持ち主様と相談ということにして
とりあえず試し切りもできて馬力も落ちなかったので
今回はここまでとします。
最後に、今回の整備方法は完全私のやり方であり 正しい整備方法
ではありません。自分で好きに機械いじりを楽しんでいます。
また作業の際は怪我のリスクもあります、参考にされる方は
あくまでも自己責任で気をつけて作業されますように。
持ち主様、整備の全貌は異常になります。