スーツケース一つで家を出て

4年という歳月がたった

 

思わぬ事件から家族のもとを去って

 

今から思えば過酷なスタートを切った、と思う

 

いや実に過酷で。

 

二年は泣いて過ごしたけれど

 

ふと気が付いたことがある

 

一日も誰も自分を消してしまうものはない

ただ目の前にあるのはその空間と時間だけ

 

自由に使えると思っていなかった空間と時間を

すべて自分の裁量で決めて実行できることに気が付いた

 

またどう過ごそうかどんな気分でどんなことをするかも

自分で100パーセント決めることができる

 

何かに遠慮して自由に行使できなかった気持ちが

だんだん自由度を増し

 

自分のために最良な選択をしていいと

 

こんな簡単なことに気が付いたのだ

 

ある繁殖用のパンダのオスは

決して好みの笹以外は食べないという

 

蜂や、鳥、野生の動物たちは

無理をして不快なところに居続けることはない

 

自分にとって最良の場所に常に移動して生活域を探求している

 

不自由なのは人間ばかりではないかと

 

ふと思い当たった

 

「与えられた環境の中で最善をつくす」

 

他者への最善を尽くすばかりと思っていたけれど

 

自分への最善を尽くすこともしかり!と気が付いた

 

自分への最善を尽くすということ

誰かにこうして上げたら喜んでもらえるだろうということを

 

まず自分にしてみる

 

美味しいいお弁当

 

心地いいしつらえ

 

豊かな環境

 

そして人間関係…

 

自分へ愛を投げかけてみる。

 

研かれていく美意識

 

美しい言葉

 

例外なくすべてを大切にしようと思う心

 

 

それらがだんだん育ってくるよう、思う