25年ぶりの故郷に戻った

地元出身とはいえ、もうかつての自分のテリトリとは違う

 

私は昔から

夢で多くのデジャブに遭遇してきた

 

何度も見る夢神社の前を

大八車に花嫁どおぐを載せて嫁入りするところを何度も見ている

 

自分で車の免許を取って

近所の通りを走っていると

その神社が見えた

まさに夢の中でいつも出てくる神社が

 

しかし、幾度となくその前を通りかかるのだが

一度も場所に近づこうと思わなかった

 

そして40年ほどが経って

一人放浪していたころ

ふとその神社に訪れたくなった

初めて近くで見た神社だが確かに夢で見たとおりだった

 

懐かしい気がした

 

そして、その神社の目の前にジャス喫茶が建っていた

 

飛び入りセッションができると聞いて

偶然友達になった演奏者の勧めで歌うことになった

 

ピアノ、ベース、ドラムの素晴らしい演奏なのに

私の声は全くその音に溶けて聞こえなかった

 

いつでも自分の声はその風景に溶け込んで

聞こえてこない

地声を張って

「私はいます」と主張できない性質が

今ここに。

 

自分のポジションがよく分かった

 

風景がの背景は名引き立て役

私の在り方はこの在り方の良さを

深めていけばいい

 

限りなく透明で溶けていく何の違和感もない

そんな自分でいいと

 

そんなことをおもって。