気が付いたら

半分事務員、半分パン屋の調理人になっていた

この数年、

いや、ずっとずっと長いこと

自分が、頭脳労働以外の仕事に就くとは

思っていなかった

 

きっと社会の中で

小奇麗な格好をして

体よく仕事をこなすことが

ステータスで

カッコいくて、

まあまあ給料がいい、

なんて無意識にも考えていたのかもしれない

 

でもそれは「思い込み」だった

 

いろんな仕事を体験してきた

すでに、両手に収まりきらないくらい

経験すればするほど

仕事にこだわりがなくなってきた

 

思ってもみない職種に次々と送り込まれる度に

一つ、また一つと社会の仕組みが見えてくる

 

人間でいえば細胞レベルくらいの

微細な働きだけど

確実にこの部分が社会の「生命」を支えている、

そんなとてもミクロだけど大切な働きを

目の前の仕事の中に見る

 

手を動かし、一心に仕事をしていると

 

ふと、

 

この仲間といることが

これをしている瞬間が

この場所にいることが

 

「幸せ」と思えたら

 

「幸せ」で、それでいいんだ、

と思えてくるときもある。

 

だけど、

空振りのように「幸せ」感の薄い日もある。

 

毎日、パーフェクトじゃないのだけれど。

 

ただ、ここだけは確実に以前と違う。

 

思い込んできた「幸せ」感が消えて

 

どんな時でも、

どこからでも、

「幸せ」感は見つけられるんじゃないかと思うようになって…

 

遠い獲物を追うように「幸せ」を追うんじゃなくて

頑張り続けて「手に入れるべきもの」じゃなくて

目的が必要なものでもなく…

 

実に目の前にいつも「在る」ものじゃないかな。

 

心がほぐれて、

思い込みの雲の間から

ふわっ、ふわっと差し込む光のように

「幸せ」が見えるんじゃないかって、

 

そんな気がしている。