日課となったジョギングの道

 

少し前まで桜の花の下を

今は眩しい黄緑色の若葉の下を

走っている

 

真冬は日の沈んだ後

厳しい北風の中を

黙々と足元だけを見つめて

走ってきた

 

今は少し見上げて。

 

ずっと、桜の木がわたしの足音を

聞いてくれたいたんじゃないかと

自分の外側の事に気が付き始めていた

 

いつものように

公園の角を曲がり

真っ直ぐ伸びる歩道に差し掛かると

突然

「本気を出していい」

言葉が浮かんできた

 

「本気」で

本心から

集中して…

 

気持ちと体が一直線上に重なって

「一つ」になり

急に体から汗が吹き出してきた

 

額の汗がこめかみから頬を流れ落ちてくる。

 

いままで、そこまで何に遠慮していたのか…

本気を出すことを諦めていた

私は、本気を出してはいけないと思っていた…

 

私の心の中に、

いや、体の中心に

 

小さいけれど、

自分の命の炎が微かに灯ったのを感じ

ジョギングで少し上がった息が

新たな空気感を感じていた