あるお寺の桜を見に行った

帰りがけに
枝垂れ桜の木の下に立つ
ある女性が目にとまった

長男の小学校3年生の時の恩師だった

車から急いで降り、
「先生!〇〇の母です!」
と言った。
先生は一瞬で分かってくれた

13年ぶりの再会だった

「先生!
先生のおかげで
息子は頭のお釜が外れたんです!」

長男は自閉症だった

彼が小学校6年生の時に
わたしにこう表現した。

「あの時は頭に
お釜を被っていたような感じで…
周りのことがわからなかったんだけど
(小学校3年生のある日)
突然、パカっとお釜が外れたんだよ」

それからの発達は目覚ましかった

先生は長男の担任の途中で
病気治療のために退任したまま
会っていなかった

しかし、
長男がその後
私立の中高一貫校まで
進んだことを伝えきいていたらしい

今は大学生になり一人暮らしをしている、
と伝えると
非常にびっくりしていた

彼は焦点距離5センチの弱視だったため
受験勉強に3年間を費やし
大学に進学した。

ゲノム解析の結果、
夫とわたしの遺伝子欠損が
全く同じ箇所にあることがわかり
そのため発症した目の病気を持っていた

決してあり得ない確率なのだそうだ

「神様に選ばれた人」と医師は表現した

神は彼にこの体を生きるよう
生まれさせ
かれの役割を与えた

わたしの知っている彼は
わたし自身であり
わたしそのものであり
わたしを形つくっている

彼の人生はわたしの人生の一部でもあった

もう2年も会っていない
元気でやっているだろうか?

恩師との盛り上がった話の中で

本人も辛いけど
それを支える家族が
挫けないでいられることも大切なんです!と
連呼していた

思えば長男との時間は
多くの恩師の存在によって
支えられた時間だった

今日は
素敵なプレゼントの出会いをいただいた