いきなり猫三匹と暮らす -559ページ目

いきなり猫三匹と暮らす

突如襲来した怪生物と犬好きのハートフルコメディ

いきなり猫三匹と暮らす

強く賢く思いやりあふれる完璧優等生猫シャムの
唯一の弱点が食い気である。

トラ猫トラニャも食いしん坊だが、シャムはそれ以上だ。
お腹がすいたときは必死で催促する。
用意している間も、待ちきれずに声が漏れる。

そんな食いしん坊シャムだが、食べ方はしごく鷹揚だ。
きれいになめ尽くすようなことはしない。
お皿に盛られた猫缶肉を食べ散らかすと、
まだいっぱい残っているのに、わたしの顔を見る。

--うむ悪くないぞよ。
  代わりを持て。

なんだかお殿様モードである。

そんなもったいないことはできないので、
食べ散らかされた肉を竹の平たい匙で
かき集めて盛り上げてもういちど出すと
また食べ始める。

そして食べ散らかすと、またわたしの顔を見る。

--食べにくいぞよ。
  何とかせよ。

わたしは、もういちど肉を集めた後、
お皿をシャムの顔に近づける。

そうするとおもむろにまた少し食べ、
ほんの少し残して悠然と水を飲みに行く。

--余は満足じゃ。
  残りはトラ猫に下げ渡すがよい。

--フニャっ

と、トラニャがドドドっと走ってきて
おこぼれにあずかるのである。