夜、眠るとき必ずシャムのことを思い出す。
いつも一緒だったから。
優しいシャムは、いつも控えめで
自分が甘えたいときでも
他の猫に譲っていた。
だからわたしはけっこう長い時間をかけて
甘えてもいいんだよと言い聞かせ続けて
ようやくベッドでだけは身を寄せて甘えるようになった。
夜、ベッドにはいるといつもシャムがやって来た。
必ず守るべき掟のように、
太陽が東から昇るがごとき世の理であるかのように
シャムはわたしの腕にすっぽりおさまって眠りについた。
もうシャムはいない。
トラ猫トラニャは布団に入ってきたりこなかったり。
来たときもまだ少し緊張がとけない。
だから、眠りにつこうとするとき
いつもシャムのことを思い出す。