トラ猫トラニャは寂しがり屋の甘えん坊だ。
超ワガママでもある。
うちに猫3匹がいたとき、あまり玄関でお出迎えを
してくれなかった。
それどころか、帰宅が遅くなると
すねて寝室に引きこもって仏頂面をしていた。
それが、他の2匹が相次いで死んでからは
必ず玄関まで迎えに出てくるようになった。
とはいえ、すねなくなったわけではない。
わたしが家を出たことにしっかり怒ってはいる。
でも、帰ってくるとうれしい。甘えたい。
トラニャの小さな頭の中では、
相反する思いがせめぎ合う。
だからトラニャはすねながら甘える。
フナン、ウアァンと不満の声を上げながら、
頭を、顔をわたしの体のあちこちに
こすりつけてくる。
座っているわたしの周囲をぐるぐる周りながら、
必死で甘えつつ文句を言う。
--甘えるか、すねるか、どっちかにしたら?
そう言いたくなるが、トラニャは自分の二つの気持ちを
偽りなく的確に表現する。
トラニャは、他の2匹に比べてはっきりおバカさんだが、
表現力の豊かさには、いつも驚かされる。