何を売りたいか言わないのが謎だった。
そのため、ほんとうにセールスか確信が持てず、
何かの犯罪を企てているのではないかと
最後まで疑った。
最終的に帰ったので、セールスだったんだろうとは
思うが、人を納得させて契約するのではなく、
強引に押し入って脅迫・威圧で無理に契約させようと
最初から狙ってるとしか思えない悪質なものだった。
1時間以上ドアを引っ張りあった後、
グッタリして座り込んでいると---
アニャニャニャニャ!
フニャニャニャニャニャ!
心細そうな高い声を上げながら、
トラ猫トラニャが走り寄ってきた。
ああ、ごめんね、恐かったんだね。
大丈夫、お家に入れたりしないから。
トラニャは、恐かったよと訴えるように
まつわりつき、必死でおでこをこすりつけて
甘えたのだった。
コイツ、たぶん家の隅で縮こまってたな。
まったく頼りにならない。
番猫にはなれないやつだ。
でも、いいんだよオマエは--
かわいければ、それだけで。
いまはシアワセにゃ!