トラ猫トラニャは不思議な行動をする。
椅子に座るわたしの周りを
ホニャホニャ言いながら回るのは、
この季節だと膝に乗りたいからである。
膝に乗りたいのに、膝掛けをしていないと
不満なのである。
まだちょっと暑いが仕方がない。
膝掛けをして、ポンと膝をたたいて
トラニャを呼ぶ。
---おいで!
こういう時、なぜだかトラニャは動揺する。
乗りたい気持ちが強くて、
膝に手を掛けて要求したときは
さっと乗ってくるのだが、
こっちが早めに膝掛けをしたときは、
なんだか動揺のそぶりを見せるのだ。
目をきょときょとさせて、
頭が左右に振れる。
な、なぜ分かったのニャ?
おひざに乗りたいことが、
なぜ分かったのニャ???
なんだかそんな感じなのである。
動揺したトラニャは、トトトトと
奥の部屋のほうに走っていって、
でもすぐにくるりと引き返してきて
最初と反対の方向からひざに乗ってくる。
--それでごまかせたつもりなのか?
猫の浅知恵でお笑いぐさだけれど、
それ以上にごまかそうとすることが
そもそもナゾである。