トラ猫トラニャはよくすねる。
ふだんからよくすねるが、最近は特によくすねる。
口内炎で動物病院に連れて行かれるからだ。
ムリヤリ恐いところへ連れて行かれて、
痛いことをされる‥‥
トラニャがそう思うのは仕方ないか‥‥。
ただ腹を立てるのならまだいいのだけれど、
トラニャはすねていじける。
自分は愛されてない、そう感じてしまうようなのだ。
過去を振り返るとこれもまた仕方のないこと
なのかもしれない。
トラニャは、うちにいた3匹の中で、もっとも若く、
もっとも地位が低かった。
シャムは差別しているように見えなかったけれど、
少なくともトラニャは自分は最低身分なのだと
強く意識していた。
夜わたしが寝るとき、顔の近くで甘えるのは
シャムとクロ。
トラニャはいつも足元だった。
おいでと呼んでも近くには寄らず、
ムリヤリ抱き寄せても、すぐに足元に帰った。
ブラシをかけるときも、先輩猫を気にして
すぐ逃げた。
シャムとクロがいっぱい可愛がってもらっていて、
自分は一番さいご‥‥。
わたしが決めたわけではなく、
シャムが押しつけてるようにも見えなかったのだが、
何よりもトラニャ自身が、そう振る舞っていた。
さいしょクロとは少し折り合いが悪かったので、
甘えようとしてクロに怒られたことは
もしかしたらあったのかもしれない。
残念なことに、クロとシャムが死んでからも、
その感じはずっと残っている。
--トラニャのコト、ホントにスキ?
しばしば、そう問いかけられている気がする。
すねる場所を決めて待っているのも、
わたしにワザワザ迎えに来させることで、
気持ちの強さを試されている感じだ。
トラニャ、お前は気づいてないだろうけど、
お前はとってもとってもカワイイんだよ!
もっと自信を持ちなさい!
いつもそう思うけれど、ムダなのであった。