「上手い!」と言われるのはスコアがいいから、フォームが綺麗だから、ショットが正確だから、パッティングがよく入るから・・など、いろんな要素があると思いますが、アマチュアの場合、再現性が一番大切なのかなと思います。つまり、なるべく同じに打てるということですね。
十数年ほど前、同じフォームで同じように飛ばし、パーオンはしないのですが、寄せて1パットという80歳過ぎのゴルファーに出会いました。2打目はパーシモンのフェアウェイウッドなのですが、ショートアイアンを打つかのようにグリーンに一直線!
あの瞬間、アマチュアの究極の姿を見た気がしました。400ヤード近いホールも同じように攻めてくるわけですが、とにかく同じ球筋なんですね。その方をじっと見ているうちに、何千球、何万球という球数を打ち続けていたであろう練習光景が浮かんできました。
再現性
まさに何度打っても同じ、アプローチもパッティングも簡単そうに打つのですが、上がってみれば80前後、当時のアマチュアの競技であれば充分予選通過のスコアでした。正直、フォームもちょっと上げて打っておしまい!バックスイングとかフィニッシュなんて無縁の見たことのないフォームです。
たぶんプロゴルファーから見たら、目が点でしょう。しかし、半分くらいをボギーで上がるレベルのアマチュアとしては、ほぼ完成されたスイングと言えるのかもしれません。戦後、日本の復興に全力を尽くし、見事復興させた後、ゴルフに出会い、同じく全力で取り組んだ大先輩です。当時年配のゴルファーは仕事でも頑張られている方が多かったように思います。
実際にパーシモンのフェアウェイウッドをあそこまで使いこなせる方は見たことがありませんでした。そしてご本人曰く・・
「このクラブは手放せないね。同じクラブ2本油くれてしまってあるんだよ。」
この一言にしびれてしまい、自分も真似しようと思っていたのもつかの間、いつの間にかバックからパーシモンはなくなり、メタルヘッドへ・・
今思い出しても格好いい素敵なご高齢のゴルファーでした。ゴルフ場でパーシモンヘッドの入ったゴルフバックを見かけると、未だに名前を確認してしまうほどです。尊敬と感謝の念を込めて、心の師匠と呼ばせていただいています。