改正ストーカー法、警告経ず
  禁止命令も 14日全面施行



  2017/6/13(火) 17:49配信


朝日新聞デジタル



 昨年12月に成立した改正ストーカー規制法が14日、全面施行される。
警察はストーカーの加害者に警告することなく、禁止命令を出すことができる。 事態が急展開して殺人などの重大な事件に発展する例もあることから、より迅速な対応を図るのが狙いだ。

 従来の制度は、まず警察が加害者に警告した上で、警告に従わず行為を続けた場合に禁止命令を出す仕組みだった。 改正法では、加害者が行為を続ける恐れがある場合は、被害者側の申し出や警察側の職権で警告を経ず命令が出せる。 命令に従わず行為を続けると立件の対象になる。また緊急の場合は、加害者から意見をきく聴聞を命令の後に回すこともできる。

 警察庁のまとめでは、ストーカー被害の相談は昨年、2万2737件に上った。 同法に基づく警告は年々増え、昨年は3562件、うち禁止命令に至ったのは173件で、いずれも2000年の同法施行以降最多。 禁止命令違反の摘発は34件あった。

 今回の法改正は、SNSを使い、連続してメッセージを送る行為などを規制対象に加えたほか、罰則強化などが盛り込まれ、禁止命令の関連部分以外は1月に施行されている。


 朝日新聞社(編集委員・吉田伸八)



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  最終更新:6/13(火) 17:49

   朝日新聞デジタル




   LINE,Facebookでの
   「つきまとい」 も規制対象に
   改正ストーカー規制法
          の3つのポイント



  2016/12/6(火) 17:48配信


  BuzzFeed Japan



LINE,Facebookでの「つきまとい」も規制対象に 改正ストーカー規制法の3つのポイント イメージ写真
規制対象の強化などを柱とした改正ストーカー規制法が12月6日、衆議院本会議で全会一致で可決され成立した。 改正に至った経緯とポイントをまとめた。
【BuzzFeed Japan / 鈴木貫太郎】


LINE,Facebookでの「つきまとい」も規制対象に 改正ストーカー規制法の3つのポイント 女性が刺された現場付近



1.そもそも、なぜ改正が必要?
改正のきっかけとなったのは、今年5月に起きた事件だ。

東京の小金井市のイベント会場 (写真) で、シンガーソングライター、アイドルとして活動する女性がファンと思われる男に刃物で刺され、一時重体となる事件が発生した。

この事件では、女性が事前に 「ツイッターで執拗な書き込みをされている」 と警察に相談していた。 それにも関わらず、事件を未然に防止できなかったことが問題視され、ストーカー規制法改正への動きとなった。


LINE,Facebookでの「つきまとい」も規制対象に 改正ストーカー規制法の3つのポイント
SNSでのストーカー行為も規制対象になった


2.実際に強化されたのは?
現行法では、実際に相手を尾行したり、電話やファクスなどの手段しか明文化されていなかった。 SNSの普及に伴い、インターネット上でのストーカー行為が増加し、新たな規制の必要性が叫ばれてきた。

今回の改正で、無料通信アプリ 「LINE」(ライン)、Facebook、ツイッターなどで、しつこくメッセージを送信したり、ブログに中傷を書き込んだりすることも、ストーカー行為に規定される。

加害者に対する罰則も強化された。 ストーカー行為罪の懲役刑の上限が、「6月以下」 から 「1年以下」 に引き上げられた。

罰金も、現行の50万円から、100万円に引き上げられる。


3.緊急時の手続きを簡略化
現行法では、警察が、ストーカー行為をやめるよう警告したにも関わらず、加害者が従わなかった場合にしか、公安委員会は禁止命令を出せない。 また、警察は加害者の弁明も聞かなければならない。

そのため、凶悪事件に発展する恐れがあっても、迅速に対処できず、被害を防げない場合があると指摘されていた。

今回の改正で、緊急の場合は、事前の警告がなくても、公安委員会が禁止命令を出せるよう変更された。

また、被害者の告訴なしに起訴できる 「非親告罪」 に変更された。

改正法の施行日は、禁止命令の見直しが公布日から6ヶ月後、それ以外は20日後の見通し。 公布日は決まっていない。




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  最終更新:2016/12/6(火) 17:48

   BuzzFeed Japan