東大が「ほぼ破壊不可能なガラス」を開発。割れないスマホができるか。


  2015/11/3
  2016/2/19


鋼鉄のように硬い割れないガラスを日本の研究者が生成に成功! そんな常識外れのガラスを発明しました。

Japanese Researchers Make Glass That’s Nearly Unbreakable
http://gizmodo.com/japanese-researchers-make-glass-thats-nearly-unbreakabl-1739673940


「ほぼ破壊不可能なガラス」


このガラスが大量生産できるようになれば、窓ガラスの新時代が到来します。 そしてタブレットやPC、スマートフォンのスクリーンなどにも応用できるでしょう。

今月初め、東京大学生産技術研究所の研究チームによる、このガラスの論文が Natureグループの学術雑誌 「Scientific Reports 」 に掲載されました。

誰でも論文をダウンロードできますので、興味のある方はリンク先へどうぞ。
「五年以内にこの技術を商業化しようと考えています。」 東京大学生産技術研究所 物質・環境系部門 井上研究室 増野敦信 助教は、取材に対しこう答えています。


東京大学 超高弾性率ガラスの開発に成功 - 無色透明で 、 薄く ても丈夫な ニューガラス -


硬さの秘密

この超硬ガラスには秘密の材料があります。
アルミニウム酸化物。 通称「アルミナ」 と呼ばれる物質です。
アルミニウム酸化物(Al­2O3) と タンタル酸化物(Ta2O5) を混ぜ合わせると、とても丈夫なガラスを生成する事が出来るようになったのです (リンク先はAl­2O3 と 二酸化ケイ素(SiO2) となっていますが、論文ではTa2O5です)。


問題点と解決策

問題は、過去に大量のアルミナを扱おうとすると、コンテナーに触れるとすぐに結晶化してしまうという点でした。
そこで、東大の研究チームはコンテナーを使わない合成法を編み出しました。 固体のコンテナーではなく、ガスを使うことにしたのです。
そしてその結果、アルミナ含有率50%を達成し、弾性率は鋼鉄にも匹敵する値を示しました。

生成することに成功した新たなガラスは、様々なものに応用できると考えられます。 ガスを使って作られたこの超硬ガラスはとても薄く、軽く、そして光学的性質も素晴らしい事から、様々な分野への応用が期待されます。


(追記)iPhone9のタッチパネルに採用される…かもしれない?

これはまだ噂の段階ですが、「5年以内に商業化を目指す」 という発言から、もし五年後に商業化されればiPhone9のタッチパネルに採用されるんじゃないか…
という噂というか期待が一部で高まっているようです。
ただ、Appleは独自の技術を使ったひび割れないディスプレイ を作っているらしいですが…もし本当に採用されたら快挙ですね。




当ブログ内にて紹介した
 『透明アルミニウム』 に関するリンク
http://ameblo.jp/sun-hiroaki/entry-12224969971.h