宇宙エレベーターの作り方―「2兆円でできる」
「宇宙エレベーター」をご存じでしょうか? 静止衛星軌道上まで届くエレベーターのことで、これを利用する..........≪続きを読む≫



 宇宙エレベーター
       の作り方
  「2兆円でできる」


 2013年10月17日 16時41分 提供:マイナビウーマン


宇宙エレベーターの作り方―「2兆円でできる」



「宇宙エレベーター」をご存じでしょうか?
SF小説や映画、アニメなどでは
 『軌道エレベーター=宇宙エレベーター』
  として、その存在をご存知の方も多いと思います。
静止衛星軌道上まで届くエレベーターのことで、これを利用すると、ロケットを使わなくても、赤道の高度3万6,000キロ上空にある静止衛星軌道上まで物資を運搬できるというのです。ほとんどSFの世界ですが、近年「実際に造れるのでは?」といわれています。

『一般社団法人 宇宙エレベーター協会』顧問の皆神龍太郎さんにお話を伺いました。

  軌道エレベーター -Wikipedia
NASAによる軌道エレベータ想像図
アメリカ ・ NASAによる軌道エレベータ想像図

宇宙エレベーター建設構想を動画で紹介
             ― 株式会社大林組 ―



■宇宙エレベーターは実現可能なアイディア!

――宇宙エレベーターというとSF小説の中にしか
     存在しないものだと思っていましたが……

皆神さん : 有名なのはアーサー・C・クラークのSF小説『楽園の泉』です。この中には「軌道エレベーター」(=宇宙エレベーター)が登場します。ですが、クラーク以前に、宇宙エレベーターのアイディアは、ロシアのユーリ・アルターノフという技術者が、1960年に『プラウダ』日曜版で発表した論考が初めてだと言われています。実現不可能なアイディアとして知られていたわけです。


――宇宙エレベーターは
     どのようにすれば造れるのでしょうか?

皆神さん : いろいろな造り方があるのですが、最も有力視されている方法は以下のようなものです。



■宇宙エレベーターの建造方法

1.赤道の静止軌道上に静止衛星を打ち上げ、
   宇宙エレベーター建設用の場所を確保する。
2.静止衛星から、エレーベーターの
   ケーブルを地上へ下ろしていく。
3.赤道上の土地に
   ケーブルがついたらそれを固定する。
4.ケーブルをつかんで
   上っていく「クライマー」を製作。
5.クライマーをケーブルに取り付けて出来上がり。


――なんだか実現困難なことがさらっと
    書いてあるような気がするのですが……。
    まず、なぜ赤道上なのですか?

皆神さん : 静止軌道というのは、赤道の上空にしかないからですよ。また赤道上は、台風を発生させる地球の回転の力(コリオリ力)がないので、熱帯低気圧などが発生しないのです。ですからメンテ上もいい場所なのです。


――上からケーブルを垂らすというのは?

皆神さん : 芥川龍之介の「蜘蛛の糸」みたいですよね(笑)。静止軌道って、3万6,000キロもの上空にありますから、そこまで下から積み上げていったら、えらいこっちゃです。重力を利用して下に向けてロープを下ろす方がはるかに楽です。垂らすだけですから。


――なるほど。このケーブルがエレベーターの
    ケーブルになるわけですね。
    強度は大丈夫なのですか?
    プツンと切れたらどうするんだ
    という気がしますが……。

皆神さん : そうですね(笑)。ケーブルの強度が一番の問題なんです。いままで宇宙エレベーターができないとされてきたのは、どんな材料を使っても自重で、途中で切れてしまうことがわかっていたからです。
しかし、近年開発された単結晶のカーボンナノチューブを用いれば建設可能といわれるようになりました。非常に強度が強く、また軽い繊維なんです。


――でも、そんなに長いケーブルを衛星に載せて
    打ち上げることは可能なのですか?
    重量は大丈夫なのですか?

皆神さん : 単結晶炭素繊維は非常に軽いので、一応大丈夫ということになっています。


――地面に向かってケーブルを下ろしていくのは
    難しくないのですか?

皆神さん : ただ単に地表に向けてケーブルを下ろしてしまうと、その引力に負けて、静止衛星自体が引っ張られて地上に落ちてきかねません。ですので、地面と反対方向の宇宙に、同じだけのカウンターウェイトを伸ばすことによって、釣り合いを取ってやる必要があります。


――それは同じようにケーブルで行うのでしょうか。

皆神さん : 基本的には、カウンターウェイトもケーブルで行います。静止軌道より上にケーブルを伸ばしていっても、そんな高い上空では重力はかなり弱くなっているので、下に下ろすケーブルと同じ長さでは足りません。おそらく、静止衛星の反対方向には、長さ10万km近いケーブルを伸ばさないと釣り合わないでしょう。


――できるのですか?

皆神さん : ですから、カウンターウェイトは全部ケーブルでバランスを取るのではなく、先っぽに重りを付けることで代用することになるのではないでしょうか。



■建造費は意外に安価!?

――単結晶炭素繊維の強度は足りているのですか?
    実現可能な強度なのでしょうか?

皆神さん : そこが最大の問題です。一番力がかかるのは、静止衛星とケーブルの結節点になります。この部分の強度が持てば大丈夫だといわれています。また、おそらく大丈夫だろう、と(笑)。


――では、既存の技術で建造可能なのですか?

皆神さん : と、いわれています。私個人的には単結晶炭素繊維の強度をもう少し検証しないといけないとは思いますが。あとはやっぱり登っていく「クライマー」ですよね。何せ誰も造ったことがない乗り物ですから。ここにも不安はあるでしょう。


――いったいいくらぐらいでできるのでしょうか?

皆神さん : そうですね。全部で1-2兆円ぐらいと試算されています。


――えっ、思ったよりも安価ですね。
    英仏海峡トンネルの建設費が
    1兆8,000億円といわれていますから、
    それと同額ぐらいということですよ!

皆神さん : そうなんですよ。夢もありますしね。造った方がいいとは思うんですけどねえ(笑)。赤道上の国はどこか手を挙げないですかね。それで宇宙への交通料をとった方がもうかると思いますよ。

いかがだったでしょうか。

もちろんメンテナンスはどうするんだとか、いろいろ問題はあるでしょうが、夢もあって2兆円ポッキリ!
どこかお金持ちの国が実現に乗り出さないものでしょうか?

⇒『一般社団法人 宇宙エレベーター協会』の公式サイト
http://www.jsea.jp/

(高橋モータース@dcp)

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