入社して、1ヵ月半くらいたった頃、

休憩中にY子先輩から

「昨日みんなで飲みに行ったんだ~」って話を聞いた。

その前日、実はあたしはダンナさんとけんかをしていて帰るのがとてもいやだった日だったのだ。

「え~!!!!あたしも行きたかったな・・・」

「sumuさんは結婚してるけど、飲みにいけるの?じゃぁ、今度行こうよ!彼(ダーリン)にも言っとくね」

あたしは、休憩後、ダーリンにも言った。

「昨日のみに行ったらしいじゃないですか・・。あたしだけのけものですか???」

「いやいやいや、sumuさん既婚者だからさ~。誘っちゃ悪いと思ってさ。今度行こうね」


Y子先輩は、教育担当の人で、やはり彼女もみんなとは違う仕事をしていた。

ダーリンの指示で研修のマニュアルを作ったり、ダーリンの一番近くで仕事をしている人だったのだ。

これは、後に知ることだが、Y子先輩は、実は結構みんなに嫌われていた。

ひどい気分屋なことと、「あたしはあんたたちとは違う、あたしは彼のお気に入りだから」

そういう態度でいたからだろう。

それは、入社した頃からあたしも感じていた。

でも、あたしは仕事もY子先輩に教えてもらっていたし、別にあたしに実害がなかったからだ。


「今度飲みに行く」といったY子先輩も

「じゃ、今度みんなで行こうね」

で済めばいいのだが、

あたしが、彼に言ってsumuさんを誘うようにするね」

この言葉は、後にあたしとダーリンの間で笑い話になるのだが・・・


この数日後の土曜日。

土日も、シフト制で仕事をしていた。

土日は、少ないメンバーでのお仕事で、まだこの頃は結構暇で、

土日はあたしにとっては勉強の日でもあった。

いつものように仕事の合間を見つけて勉強し、やがてお昼になったので席を立った。

廊下に出てエレベーターを待っていると、ダーリンがやってきて一緒のエレベーターに乗った。

「俺、昨日パチンコですっげ~勝ってさ。お昼、ごちそうしてあげるから外に行こうよ」

嬉しかった。

ダーリンと初のランチ。

あたしは、年甲斐もなくドキドキしてしまった。

何を話したかとか、何を食べたのかとか、今まったく思い出せないくらい緊張してた。


会社までの帰り道。

「今日さ~実は、嫁が飲み会でさ。sumuさんよかったら今日こないだの約束果たすけどどう?」

その日、あたしはダンナさんと夜中子供たちが寝てからとあるラーメン屋さんに行くことになっていた。

ラーメンなんていつでもいい・・・

そんなことより、久しぶりに飲みに行きたい!!!

葛藤したが、約束を守らなかったらダンナさんの機嫌が悪くなることは目に見えてわかっていた。

数日間きまずい生活を送らなくてはいけないかもしれない。。。

あたしは泣く泣く彼のお誘いを断った。

「今日がだめなんです。また誘ってください」

何回いったかわからない(笑)


数日後、彼がまた誘ってくれた。

「今度の日曜、sumuさん出勤じゃないけどどうかな?」

あたしは二つ返事でOKした。

「じゃ、今度の日曜ね。上野にいいお店があるんだよ」


実は、鈍感なあたしはまだ彼の気持ちにはこの頃半信半疑でいて、

二人でのみに行こうといってるのか、みんなで飲みに行こうといってるのかわからなかった。

みんなで飲みに行くのでもあたしは構わなかった。

まだ、友達感覚が抜けないあたしは、彼との楽しい時間が過ごせれば満足だったのだ。


彼は、仕事中に、ほかの書類と混ぜて、自分の携帯番号とアドレス、

当日の待ち合わせ時間と待ち合わせ場所を書いたメモをくれた。

「社内不倫メモ」あたしは心の中でそう思浮かんで一人で笑った。

あたしの期待は大はずれ・・・。

次の日から、ダーリンの隣からすっかりはずされました。

本来の席は、ダーリンの隣はY子先輩だった様子で・・・。

その隣があたしの席になりました。

ちょっと残念。。。


でも、Y子先輩も、研修中とてもよくしてくれたし、ちょっと気分屋だけど面倒見もいいし、

あたしは安心して働けそうです。


仕事はすぐに慣れました。

あたしは、ずっと金融機関で働いてきたし、営業経験もあり、なんとなく向いていた仕事だったみたい。

みんなもとてもいい人で、いい職場に来たな~って感じでした。


ただひとつ。

あたしがこの会社に入社するにあたって心に決めていたこと。

誰とも深く仲良くしない

文句・悪口は誰にも絶対言わない


女の職場だからさ~

誰かと話してて、「○○さんて実はこんな人なのよ」

とか聞いた日には、あたしも同罪?

とか・・・

女の「ここだけの話・・」ほど信用できないものはない!

この頃のあたしは色々あって、すっかり噂話とかにも興味がなくなってました。

これは今も貫いてることだけど、おかげであたしはみんなから

毒もはかず、グチも言わず、とてもいい人で通ってます(笑)

ダンナさんやダーリン、本当のあたしを知ってる友達は何も言ってくれませんがね。


ちょっと話はそれたけど!


会社に入って1週間くらいかな・・・

その頃、期間限定できていたアルバイトの女の子とよく一緒にお昼を食べていたんだけど、

「sumuさん知ってます?Y子先輩って彼(ダーリン)のこと好きなんですよ~」

「そうなの?そんなことないんじゃない?」

「だって、Y子先輩、彼がタバコ吸いに行けば慌てて何をやってても飛んでいくし、

帰りだって、彼が帰るって言えば、みんな残ってても帰っちゃうし・・絶対好きですよ。

それで、彼はY子先輩の気持ち知ってて知らん顔して・・・罪な男っすよね~」


そうだったんだ・・・

全然気づかなかった・・・


まだあたしはダーリンのことは、一緒にいたら楽しいけど・・・ちょっと気になるけど・・・

くらいな感情だったので、大して気にも留めてなかった。

あたしが働く仕事は、なんだか専門的な知識がいくつか必要なようで、

入社して3週間ほど研修があった。

あたしには、同じ日に入社したOさんという年上の女性がいた。

この彼女は、後に職場中で嫌われ、挙句仕事でも問題あげすぎるおばさんなのだが、

あたしは、正直この彼女との二人きりの研修が苦痛だった。

何せ、研修が進まないのだ。

「このマニュアルに引くマーカーの色は何色ですか?」

とか、とにかく、聞かれた人もわからないような質問を連発する。

休憩時間も、あたしは喫煙者、彼女は禁煙者。

会社の休憩室はそれぞれあったため、あたしは一人で一服したかったが、

何せトイレにまでついてきて自分の話を連発。

話のうち80%が、夫と娘自慢、20%が自分の過去と生き方についてだ。

しかもオチもない面白くない話ばかり。


研修をしてくれるのは、初日に出会った責任者のダーリンと、

教育担当のY子先輩。

ダーリンの研修はとてもわかりやすくおもしろくて、あたしは大好きだった。

Y子先輩の研修もわかりやすかったけど、あたしはダーリンの研修が待ち遠しかった。

一日中、Y子先輩の研修だった日には、帰り際ちょっぴりしょげたりしていた。


日に日に気になってきた彼・・・

あたしは思い切ってお昼休みにランチに誘ってみようと考えた。

が・・・!

彼はお昼休みをとらない人間であえなく失敗・・・。


研修中、ふとブースをみまわしてみると、ダーリンは一人でちがう仕事をしていて、

ほとんどみんなとは会話を交わしていないようだった。

あたしも研修が終わったら、彼とは接点がなくなるんだ・・・

朝行くたびに、今日の研修担当は誰なのかとか、

研修が終わったら・・・とかそんなことばかり気になるようになっていた。


やがて、研修が終わり、今日からお仕事本番の日。


朝礼前にあたしとOさんがダーリンに呼ばれた。


「おはよう。きょうからやっと本番だね。今日は、初日だから先輩の隣で仕事してみましょう。

OさんはY子さんの隣で、sumuさんは僕の隣ね」


やった~!!!!!!!!!!!


舞い上がるあたし。

初日で緊張していたはずなのに吹っ飛んでしまった。


研修中、我ながら思うけど、研修内容はとっくにマスターしていた。

ダーリンやY子先輩もあたしには結構期待してくれてるのを感じていた。

あたしは、以前の職場で教育担当をしていたこともあって、

人に教える大変さ、自分の仕事時間を削って新人教育して、その新人が成長しない、

辞めていく・・・そんなむなしさは痛いほど知っていた。

だから、研修は一生懸命理解しようとしたし、仕事も早く覚えて一人前になりたいと

ずっと思っていた。

でも、ほんの少し不純な動機があって、それはダーリンに認めてほしかった。


今日は隣でお仕事。

ダーリンに研修の成果をみてもらっていいとこみせよう!

そう思っていたのに・・・。


かかってくる電話は難問だらけ・・・

ダーリン、ヘルプ~~~~

ダーリンもお昼くらいから、

「sumuさん、引きがいいね~。もう少し簡単な普通の案件電話とってくんない?(笑)」

・・・・・

あたしのせいじゃないってば~~~~~


でも・・・ダーリンの隣で仕事できたら楽しいから・・・

ずっと新人でいたいな・・・・


彼とあたしが出会ったのはちょうど1年ほど前。

今の会社にあたしが入社し、彼が上司だった。


とある大手金融機関での委託業務。

たくさんの問い合わせがくるいわゆるコールセンターです。


初出勤の日、女性ばかりの職場には慣れているもののやっぱり内心ドキドキしながら出社しました。


そこで待ち受けていたのが彼。

あたしは職場ではネコかぶっていい子にしているつもりだったけど、

なんだかとても相性のあう人で、すっかり初日から打ち解けてしまいました。


その頃、あたしは家庭のことで様々な悩みを抱えていました。

今のだんなさんの子供のこと、お金のこと・・・。

あたしってなんなのかな・・・

とてもつかれていたあたし。


そんなときになんていい職場にめぐり合えたんだろう!!!

あたしは、その日から毎日の出社が楽しみになった。