リストクラッチ・エクスプロイダー -245ページ目

映画:レスラー をさらにプロレスについて掘り下げる

一時期役者をやっていたレスラー、ロディ・パイパーはこの映画を見て号泣したそうだ。

あまりに身につまされたのだろうか。


アメリカの多くのレスラーは、自分で車を運転して会場に向かう。みなフリーの事業家みたいなもの。

日本よりも試合数が多く、痛み止めとステロイドに頼る。

無事に選手生活を過ごせ、VIPになれるのは一握り。

日本で人気レスラーだったクリス・ベノワは新日本でジュニアとしてライガーと名勝負を繰り広げた。

WCW、そしてWWEに呼ばれ、2m以上、150kg以上の肉体を持つ選手と対等に戦った。

原因は不明だが、40歳で自殺。妻も息子も亡くなった。ステロイドによる影響で錯乱したのではと言われている。

ベノワとほぼ同じ時期に、ライバルとして活躍した名門ゲレロ一家の出身、エディ・ゲレロは2代目ブラックタイガーとして新日本で活躍。

彼もWWEに呼ばれた。

38歳で心臓疾患で死亡。彼も薬品の影響と言われた。

2人とも、日本ではジュニアヘビーのスーパースターだった。

テクニカルな玄人好みスタイルに、キャラクターも演じれる器用さ、パワーもあって、新日本も重宝していた。

さらにアメリカでは超ヘビー級を相手にできた。

まともに無理をどこかで重ねたとしか思えない。


映画の中で、ベテランレスラーが普通の会館のような所で、木製の机にグッズを並べてサイン会を開くシーンがある。

長年のファンと言う人と写真を撮ったり、グッズにサインしたり。

ふと気付くと、まわりのレスラーも、体のあちこちに怪我をしている。

皆、長年の戦いで体はボロボロ。こういったわずかな収入でも生計をたてている。

昔は150万人を沸かせたスターレスラーにそぐわない姿だが、それが実際だ。


また、ハードコアレスリングをこなすシーンが出て来る。

椅子で殴り合うだけじゃない。

有刺鉄線やガラス、蛍光灯、工具や鉄板等を使ってお互いを傷付け合う。ステープラーガンまで使う。

見るからに酷いシーンだ(- -)。

さすがに事情をよく知ってる私も目を背けたい気持ちだ(笑)

実在する団体CZWが出て来る。まだあるんだな(笑)

いや、レスリングできないやつはこうやって人気を集めている。

困った事に、レスリングできるやつもこんな団体にたまに出たりする。

こういったプロレスがあるのもまた事実だ。


今回の映画のミッキーの相手役は全て本物のレスラー。

おかげで本気でプロレスができないといけなかったらしい(笑)

肩、肘、膝を故障。脊椎の第5腰椎が外れ、首が回らなくなり、指も動かなくなった。

壮絶にも程がある。

ミッキーの言葉は凄い説得力がある。
「正直に言うけど、自分の人生の大半をかけてきたボクシングに比べたら、全然レスリングに敬意をはらってこなかったし、小バカにしてた。でもいったんハードルを超えて何か違うものだと気付いたら、レスリングもOKだと思ってみてもいいかなと思ったんだ。エンターテイメントである限りにおいては、リスペクトすべきだと気付いたんだ。レスラーは身体を犠牲にして、観客のアドレナリンを煽っている。ロープから飛び降りるときや、体を打ち付けるとき、彼らの体は悲鳴をあげ、歯がガクガクしているんだ。椅子で殴られる時も、凄く痛い…この映画の撮影が終わった時、本気で嬉しかった(笑)」

つらい話ばかりだが、改善も進みつつある。

日本でもライセンス制度を立ち上げる。これは三沢が亡くなる前からあった。

メキシコでは既にある。

アメリカも変わっていくべきだろう。社会的リスペクトを集めるプロレスにしなくてはいけない。

まだまだ先の長い話ではあるが…

映画:レスラー

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監督が言っていた、
「真剣にプロレスを撮った映画はまだない。」
との思いで、ずっとミッキーロークを口説いたとか。

予算もミッキー・ローク前提だから、削りに削られたらしい。それでもミッキーが主演じゃないとやらないと言ったそうだ。

…なかなか泣かせるね。

ミッキーもブルース・スプリングスティーンに手紙を書いて、予算がきついからお金を出せないけど、曲を作ってくれと。

ブルースもそれに応えて、曲を作ってくれた!Σ( ̄□ ̄;

いやはや…泣かせるね。


まず、肉体が凄い。今まで役者が真面目にプロレスラーの体にした所なんて見た事なかった。

ソル・ギョングが力道山をやったり、宇梶剛士がやったりしたが、自分が見た限りでは苦笑ものだった。

だが、ミッキーはデニーロもできないだろう事をやった。

あの肉体はレスラー以外では無い。

プロテインも、もしかしたらステロイドも使ったかもしれない。見事なパンプアップだ。

人生をかけるというけど、墜ちに墜ちたミッキーは決死の覚悟だったんだろう。

それは誰が見てもわかるような肉体だ。

もちろんスタントらしい所もない。

いや、確かにプロレスは下手だ(笑)

だが、役者ではやらない攻めや受け。ヘッドシザースまで決める。何よりレスラー特有のムーヴ。見事に表現している。

予想以上に厳しい戦いで、MRIに3回も行ったとか。

試合後の控室で、疲れているが見事に完成された肉厚な背中を、誰があのミッキー・ロークだと思うだろうか。

「ナインハーフ」「エンゼルハート」のセクシー俳優はもういない。

人生を転落した悲哀がにじみ出たプロレスラーそのものだ。


ミッキーの境遇はありきたりだ。

娘がいるが、疎遠。小さい頃に別れたまま。

久々に会うが、娘を捨てた親という意識しかない。

仲のよい女はいるが、ポールダンサーで、単に客とダンサーの関係。

だが、試合で倒れ、再起不能と知ると人生を考え直す。

娘と和解し、女とは近い関係になる。レスラー以外の仕事に励む。

もしかしたら、やり直せるかもしれない。

だが、やはり…

色んな意味で最低なミッキーが戻り、全てをぶち壊す。


どこでも聞く話だ(笑)

ありきたりなのに、あまりに生々しく、物悲しい。

ずっとミッキーの肩越しに抜け出せない生活が映る。どこまでもレスラーのまま。

ミッキーはレスラーだという事実。

最後には、覚悟してレスラーとしての人生を全うする。

その姿が心を打つ。

ゴールデングローブでは主演・主題歌受賞。アカデミーでは主演助演ノミネート。ヴェネチアでは金獅子受賞。英国アカデミーでも主演受賞。

いやはや見事だ。これなら納得。

こんな選択肢、取る必要無いだろう。レスラーになる痛みなんて役者やっていれば必要ないが、最後の最後、誰もリスペクトしない役を肉体を酷使してやり遂げる。

その凄みに沢山の人が感銘を受けたのだろう。

映画:アマルフィ 女神の報酬

フジテレビって、終わったねって思った映画だった。

例えば、大使館での会議。

小野寺昭、佐野史郎、大塚寧々、伊藤淳史がいる。

そこに、織田裕二とが戸田恵梨香が絡む。

もう既視感ありすぎなのよ(笑)

ま、ひとまずおいといて。

それ以外のキャストも会議にはいるけど、当然ながら話には絡まない。ハリボテかエキストラなんだけど。

結局、小野寺昭も大塚寧々も伊藤淳史も、最後まで話には絡まない。

佐野史郎だけ少し。

………いや、それなら佐野史郎以外、エキストラでいいよね(笑)

目立つキャスト使っておきながら、話にスパイスを出さず、ただギャラを高くする?

いつもお世話になってるから呼んだ?

いや、良くわからない。

一例ですがこんな“やり切らない”シーンが次々。


テーマ…無いだろ、この映画(笑)

サラ・ブライトマンまでエキストラ扱いだ(笑)

エンドクレジット見たけど、“FNS27社”なんて書き方が、もろテーマ無い感じが良く出ている。

織田裕二が出ていて、天海祐希が出て、戸田恵梨香は日テレには取られたくないからここで使って(笑)、福山雅治はまぶしておいて(笑)…

やっぱり映画をバカにしてる感じがする。

アイデアが無いのだろうね。

日本映画を応援する身としては辛い映画だなあ…

お祭映画って、やり切るから楽しいし、テレビ局総出で盛り上げるんだよね。

そこにアナウンサーが出ても、堺正章や井上順がちょい役で出てもいい(出てないが)

でもやり切ってない不透明さが沢山出ているし、たいした協力…見えない。

意外性も皆無。


また、佐藤浩市も不発。

テレビの延長でも、結構頑張ってる映画あるよ。

ま、監督が一番だめだったんだろうね。「白い巨塔」の人だっていうから、楽しみにしていたけど。

残念だったなあ。