11勝3敗同士の相星決戦となった初場所千秋楽。大関貴景勝が、平幕琴勝峰(ことしょうほう=23歳)を、豪快なすくい投げで裏返し、3回目の優勝を決めました。
横綱照ノ富士が休場、大関も貴景勝ただ一人という中で、大関の気迫、意地を見せつけました。
関脇、小結など三役はじめ、若手力士、これに刺激された中堅、ベテラン力士も熱戦を繰り広げました。
幕下15枚目格付け出しでデビューしたばかりの落合(19歳)が全勝優勝を遂げ、〝幕下をわずか1場所で通過か〟と、大きな話題にもなりました。
次の大関、横綱候補は続々!という印象です。
ただ、初場所前に明らかにされた深刻な事件を覚えている方も、多いのではないか。
番付発表があった昨年12月26日に発表された、伊勢ケ浜部屋の暴力事件です。
力士が弟弟子に暴力をふるい、ちゃんこ鍋の熱湯をかけてやけどを負わせていました。凶悪犯罪そのものです。
その事実を知りながら、伊勢ケ浜親方(元横綱の旭富士)は口をつぐんで、相撲協会に報告していませんでした。責任を問われて同親方は相撲協会理事を解任されました。
伊勢ケ浜部屋と言えば、横綱照ノ富士の部屋です。今場所も翠富士、錦富士、宝富士など4人の幕内力士、二人の十両力士が在籍して活躍。序二段で尊富士(たけるふじ)が優勝するなど、相撲界でいま最も勢いのある部屋です。
そこでこうしたすさまじい事件があったとは。信じたくない気持ちです。
2017年の暮れ、モンゴル出身力士の集まった酒の席で、下位力士の態度が気に入らないと、同部屋の横綱日馬富士がビール瓶で殴りつけた事件が明らかになり、日馬富士はその責任を問われて大相撲界を去りました。
そうした暴力事件に対する親方の認識が甘くなかったか…。相撲界の暴力問題の根の深さを痛感します。
大関から序二段まで陥落した照ノ富士を励まし、支え、横綱にまで昇らせていったのは、伊勢ケ浜親方の力でした。
でも、その功績を差し引いても、責任を免れることはできない、と思います。
相撲は、肉体が直接激しくぶつかり合う競技です。相手力士への尊敬(リスペクト)なくしては成り立ちません。強さ以上に、深い人間性が求められるスポーツです。
相撲協会と責任を預かる部屋の師匠は、そこのところを力士一人ひとりにしっかり叩き込んでほしい、と強く感じた初場所でもありました。
![]()
↑ランキングに参加していますので、ポチッと応援していただけると嬉しいです