場所前からこのブログで、名古屋場所がかつてなく熱くなりそうだと書いてきました。予想とは多少違っていたものの、横綱、大関不在、不振のなかで、各力士のたたかいは熱いものでした。
盛りあげた一人が、19歳の伯桜鵬(はくおうほう)。相撲界に入ってわずか4場所目、新入幕の力士が、最後まで優勝争いを演じました。
千秋楽は初優勝を遂げた豊昇龍に敗れ、109年ぶりの新入幕力士の優勝という快挙は見られなかったものの、見事な15日間でした。末恐ろしい力士の誕生です。
一方で、考えさせられたことがあります。
3関脇そろって大関かと、場所前から大きな関心を集めたものの、大栄翔、若元春の2関脇は届かず、昇進は豊昇龍一人にとどまりそうです。
大栄翔、若元春は、いまの大相撲界で相撲の質(たち)のよさは1、2番ではないかと、自分は見てきました。どんな相手にも真っ向から挑み、最後まであきらめない相撲を見せてくれるからです。その相撲で大関まであと一歩というところに駆け上がってきました。
しかし最後の最後で、迷ったようです。
14日目にはそろって、跳んだり、変化してはたく奇襲作戦を繰り出しました。
こうした相撲を否定するつもりはありません。ただ、この期に及んで自分の力を出し惜しみすることはないだろうと、強い違和感をおぼえました。
彼らは、大関を引き寄せるために、どうしても勝ちたかった、勝ち星を積み上げたかった…。
勝負の世界は〝勝ってなんぼ〟です。素人には理解できない言い分もあるでしょう。
しかしこの奇襲作戦でたまたま勝ったとしても、周囲、審判部の人はどう評価するか。そういう力士を相撲界の看板にしたいと考えるか。
多分、ない、ですね。
一方、20歳前の伯桜鵬は、場所前から稽古を積み上げ、肩の負傷を分厚いテーピングで固めながら、どうやったら勝てるかを考え、最後まであきらめない取り口を追及してきた。
そこが、今場所大関を目指した二人と大きく違ってしまったのではないか。
名古屋場所の経験は、これからの相撲人生の分かれ目になると思います。
長年相撲を見てきた一人として、両関脇が苦い経験を前向きに生かしてくれることを願っています。
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