大相撲界の1年を振り返ってみて目立ったのは、やはり照ノ富士です。
けがと病気で、大関から、番付では下から二番目の序二段まで陥落。何度も引退を考えながら、よしもう一度と、再び立ち上がり、5月場所に大関復帰、さらに9月場所では相撲界最高位の横綱まで駆け上がりました。
その相撲には、毎場所ドキドキさせられました。この激しい世界での復活劇は大相撲の長い歴史でも初めて。奇跡に近い。そのあと連続優勝しているのを見ると、照ノ富士はまだ進化の途中です。すごい力士です。
もう一つの大きなニュースは、名古屋場所後の横綱白鵬(現間垣親方)の引退でした。
今後、白鵬の幕内優勝45回を超える大記録を刻むのがだれかと思いつかないほど、数々の大記録を打ち立てました。
最近「白鵬論」が目につきます。かち上げ、張り手をはじめ荒々しい相撲で批判を浴びてきましたが、「そんなことは問題外」「白鵬は間違いなく大横綱だった」といった論調も増えています。
怨念しか生まない白鵬の相撲にたいしては、自分は厳しい意見も書いてきました。
ただ、「この国で相撲を続ける以上、(モンゴル出身の)自分は勝つしかなかった」という引退直後の発言には考えこみました。
―強くなればなるほど、対戦する日本出身力士への声援が強まる、それがつらかった。
そのために勝つしかない、どんなことをしてでも勝たなければならない、それが自分への批判に応えるただ一つの方法だった、とー。
勝利にこだわるのには、こうした背景があったとは……。
最近は、体まかせの取り口で、あっさり土俵を割る力士も目立ちます。粘りや攻防相撲が少ない。手に汗握る相撲はなかなか見られません。勝利に対する気持ちもあっさりしているように映ります。
引退した横綱から学ぶことは学び、新年は、この二人にも勝る新しい歴史を刻んでほしいと思います。
(2021年12月30日)
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