新入幕の王鵬(おうほう、21歳)は、2日目、琴恵光(ことえこう)に挑みました。
30歳の琴恵光からすれば、九州場所で大きく負け越し、悔しい思いをしているだけに、新年の場所で、若い新入幕力士には何としても負けられない。そんな気持ちで臨んだはずで、立ち合いから両かいなを差し、先手で攻めこみました。
しかし王鵬は慌てず、左からおっつけて体を起こし、はたきこみで下しました。
前日は「めちゃくちゃ緊張した」といいながらも、194㌔の魁皇をぐいと起こして押し込む、堂々とした取り口。2日間とも落ち着いた動きで連勝。立派です。
知られるように、王鵬は元横綱大鵬の孫、元関脇貴闘力(たかとうりき)の息子。その肩書で、高校時代、そして入門の時から話題になってきました。
これだけ注目されると、たえず祖父や父に比較され続けて、重圧にもなりかねません。しかし本人は〝祖父は祖父、自分は自分〟と、割り切っているようです。一方で「大鵬の孫という事で応援して下さることはありがたい」とも。
祖父を少しふっくらさせたような風貌。21歳ながらしっかりした考えを持った青年です。
相撲界でも芸能界でも、はたまた政治の世界でも、2世、3世世代の進出が目立ちます。それが時には重圧になったり、とんでもない事件を引き起こして話題になることもあります。
祖父は数々の記録を打ち立て、〝巨人、大鵬、卵焼き〟などといわれ、当時知らない人がいないほど有名な力士で、大相撲界をけん引してきました。
一方で父の貴闘力(たかとうりき)は、賭博にはまって相撲界を破門されています。
どんなに著名な祖父を持とうが、自分は自分。
そこは本当に大事なことかもしれません。
一言。181㌔の体はもう少し絞った方がいい。
祖父・大鵬が入門したときは「70㌔にも満たないやせっぽち」(自伝)で、全盛期でも153㌔ほどでした。言うまでもないことですが、過体重は足腰に大きな負担をかけ、間違いなくけがにつながります。この面では、ぜひ祖父の貴重な経験を受け継いでほしいと思います。