大関正代(しょうだい)が12日目、碧山(あおいやま)を下して勝ち越し、ようやくカド番を抜け出した。
立ち合い、碧山の突きに一瞬のけぞった。しかし下がらず前へ踏み込んで、182㌔の碧山を一気に押し込んだ。
6日目からの7連勝は光る。7月16日のブログで「自分の力を信じ、それをどう引き出すかに集中を」と書いたが、ここまでやるとは予想外だった。
元横綱白鵬=間垣親方のアドバイスが、一つのきっかけになったらしい。
NHKの相撲解説に登場した白鵬によると「取組前に汗をかいて体を温めていったらいい」という内容だったそうだ。
これが思わぬ効果があったらしい。
逆に言えば正代はこれまで、体を温め、からだをほぐし、エンジン全開という状態にならないまま、本番に臨んでいたわけだ。そんな当たり前のことを、大関という力士が、きちんとやっていなかったことになる。
白鵬の師匠である宮城野親方によると、白鵬はそうした基礎的な運動、稽古を序二段時代から、毎日1、2時間もやっていたという。これがけがの少ない、強い体をつくりだす土台になった。
横綱白鵬の、とりわけ現役後半の張り手、かち上げの乱用など、勝つためにはなんでやる相撲には厳しい目を向けてきた。しかし理にかなった基礎的な体づくりは、正代の例が示すように今、力士に欠けている一つかもしれない。
相撲部屋で見ていても、本格的な稽古に入る前の準備運動に取り組む力士は少ない。正代も、土俵の周りで体も動かさずおしゃべりしていて、指導者から怒鳴られたことがある。
力士がこうした基礎的な準備運動を重視していくようになれば、けがは減り、動きに機敏さが増し、体も引き締まっていくような気がする。
これは、体を動かし、運動をしている人にも広く通用する話だと、改めて思う。
◇
12日目、新たに浅香山部屋でコロナ感染者が確認され、休場部屋と力士は8部屋134人に拡大した。
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