宇良(うら=西前頭3枚目、30歳)が活躍しています。
前日は横綱照ノ富士を初めて破る大金星。7日目は大関貴景勝に敗れたものの、力強く機敏な動きが光ります。
宇良は場所前、体重を151㌔まで増やしました。名古屋場所が148㌔、夏場所が147㌔ですから、べらぼうに増えたというわけではありません。
今場所も112㌔の翠富士(みどりふじ)はじめ、130㌔から140㌔台の力士が活躍しています。そのなかで、宇良本人は、計画的にこの体重を目指してきたといいます。
150㌔は、幕内の平均体重(約160㌔)には及ばないにしても、機敏な動きが持ち味の宇良にすれば、やはり大台です。膝の大けがで番付を大きく下げ、幕内に復帰してきた今も、両膝には太いテープをぐるぐる巻き。
正直なところ〝こんな状態で体重を増やすって、どうなの?〟と心配しました。それを裏付けるかのように、初日は錦木(にしきぎ)の押しをしのげませんでした。
しかし2日目からは一転。
元大関高安戦では、さっと潜って184㌔の高安の左足を取って寄り。4日目には、20年ぶりという「伝え反り=つたえぞり」の大技を繰り出し、宝富士を背中で倒しました。
6日目の横綱照ノ富士戦でも、激しい突きにもほとんど下がらず、攻めあぐねた横綱の一瞬の隙をかいくぐってもろ差しになり、寄りたてました。機敏な動きには目を見張りました。
3㌔前後増やした体から湧き上がる力。それでいて、機敏さを失わない〝業師宇良〟の真骨頂は健全でした。
取り組み後のコメントがおかしい。相撲の流れを聞かれても「いやあ、わからないです」「覚えてません」と、煙に巻いています。
激しい動きで、本当に流れを覚えていないのか、とぼけているのか、は不明です。
上位陣の不甲斐なさが目立つ中で、これだけワクワクさせてくれる力士は、そういません。間違いなく、場所を盛り上げている〝主役〟の一人です。