戦後60年が経ちました。


たぶん、私は『知らなくてイイ事』はたくさん知ってるけど、『知ってなきゃいけない事』ってのは、結構知らなくて生きているような気がする。


なんでK泉さんが、とある神社を参拝するのに、あんなに世間が騒ぐのかヨクわかってないし、

この前、サッカーで東アジア選手権ってのがやってたんだけど、日本だけがナゼあんなにブーイング受けるのかもヨクわかってない。


今日、紹介する映画のベースになってる話が『在日』って話。

あなたは説明できる?

私はこの映画(小説)を観る(読む)まで、遠い国の話だと思ってました。

でも、実は、ものすごい身近な話。


今日の映画は『GO』



主人公の杉原(窪塚洋介)は日本生まれの日本育ちの高校生。

友達の誕生日パーティーで出会った桜井(柴咲コウ)に恋をする。

美術館に行ったり彼女の家でビデオ見たり・・・それは普通の高校生のラヴストーリー。

ある一つの事を除いて・・・


彼は『在日朝鮮人』。

映画が始まってすぐに『在日韓国人』になる。

なぜ?って?

それは国籍を変えたから。・・・ここまでわかる?


父親(山崎 務)も母親(大竹しのぶ)も『在日朝鮮人』で、家族そろって『在日韓国人』に国籍を変えた。

なぜ?

それは『ハワイ』に旅行するため。

『朝鮮』より『韓国』の方がビザが取やすいから国籍を変えた。


杉原は小学校、中学校と、日本の朝鮮学校に行った。

国籍を変えたコトで高校は、日本の学校に行く事に決める。

でも、それって簡単な事じゃない。

学校の仲間には「裏切り者」と言われ、先生には冷たい視線でみられ、そして高校に行っても「彼は在日だ!」と言う視線でみられ友達も出来ない。

それでも彼は動じない。

動じても『在日』は消せないから。


そして、すべてを奉げても守りたい彼女ができた時、彼は初めて動じる。

『在日』と言うことが言えなくて・・・



基本的には、チョイト悪の杉原と、チョイトお嬢様な桜井の、淡いラヴストーリー。

なのに『在日』ってコトだけが違う。

『在日』ってのは、スゴク簡単に言うと、戦争中に日本が中国まで自国の領土にしてるときがあって、その時に、その国の人たちを日本に連れて来た。

戦争が終わって、国に帰った人もいるけど日本に残った人達もいた。

残った人達が『在日○○人』

日本に住んでいても外国人。

彼らは日本で生まれて、育って、日本語を話しても、色んな事で日本人と差別されて生きてる。

で、その子供も外国人で『在日2世』と言う。

主人公の杉原は『在日3世』ってコトになる。

この映画(小説)を読むまで知らなかったけど、それって、ちょっと違うような、納得行かないような気がする。


そして、彼はそのチョットした違いに苦しむ。

そんなラヴストーリー。


私は、映画のを観る前に小説を読んだ。

作者は、大好きな金城一紀さん。

今更ながら思うと、『レボリューションNO3』や、この前に映画化した『フライ・ダディ・フライ』と少しノリが違う小説。

でも、この話って、彼の半自伝的小説らしい。


で、私は小説を読むとき、勝手に活字に絵をつけます。

小説に出てくるコノ男の子は誰が演じたらどうだろう?ってね。

そして映画化された時にキャストを見て思いました。

窪塚クンはいいとして、柴咲コウに山崎務、大竹しのぶはチット、私のイメージと違うなぁ~・・ってね。

でもね、

でもね・・・映画を観て、山崎務の父親役と、大竹しのぶの母親役は完璧でした。

つーか、最高。

主役の窪塚クンより良かった。

でも・・・こんな両親イヤだなぁ~w


GO


【こんな映画を観るために映画好きになった度 ☆☆☆☆☆】


2001年 【日】

監督 行定 勲

脚本 宮藤官九郎

出演 窪塚洋介 柴咲コウ 山崎務 大竹しのぶ 他