82年生まれ、キム・ジヨン チョ・ナムジュ (著) | 大学生の読書感想文

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きまぐれ記録用ブログです。いくつになっても本が好き☺

こんにちはー!サマーですチュー

 

 

 

 

韓国の本を読むのは実はこれが初めて。

韓国でベストセラーになっているというのは小耳に挟んでいたのですが、

かなり印象的な内容でした。面白い、という感想は不謹慎かもしれません。

 

熱く語りたいのは山々なのですが、あまり詳しく書くとネタバレに

なってしまうので、やんわり書いていこうと思います。

 

これは、キムジヨンという女性の人生を描きながらフェミニズムやミソジニーなどといった

世の中にはびこる社会問題を提示するストーリーになっています。

 

「女性が女性であることを理由に搾取されたり暴力の対象になってはいけない、

今の状況を受け入れてはいけないという思いで小説を書き始めました。」と、著者のチョ・ナムジュさん。

本当にその通りで、性差別があまりにも当たり前になっていて、

それが「おかしい」と気付くことすらできないこともあります。

 

この100年で、選挙権も教育も政治も、男女の差はかなり縮まりました。

 

女性は過去に比べてかなり自由を手に入れたように思えますが、

現代社会でも女性に対する差別は、確かに存在します。

 

例えば、この本に出てくるような言葉の暴力、「ママ虫」などといった女性に対する

差別的な言葉。ちょっかいを出してくるのは好意からだとかばわれる男子生徒。

就職や職場で性別のせいで不公平な扱いを受ける女性社員。

 

そんな男女格差が当たり前になっているなんて、なんだか悲しいですね。

 

日本でも、2018年に東京医科大学医学部の不正入試事件が話題になりましたよね。

女子受験生に一律減点の得点操作がなされたのです。

21世紀にもなって、しかも日本の名門大学で、こんなことがあるのかと驚きましたね。

過去と比べてばかりいると私たちは未来を生きているような気になりますが、

そんなできごとがあると、長い歴史の、過去と未来のつなぎ目に生きているんだなぁと感じます。

 

私は日本に住む女子学生ですが、この本に共感できることが色々ありました。

今までなんとなく腑に落ちないな、気持ち悪いな、と思っていたことを

この本が言葉にしてくれた気がします。

 

例えば、私はお料理が好きなのですが、「女子力が高いね」と言ってもらう

ことがたまにあります。嬉しいような気もするのですが、なぜか常に、不快感を覚えるのです。

そもそも、女子力ってなんなのでしょう。料理ができること?女性らしいふるまい?

まだまだ家事は女の仕事という考えが根強く残っている気がして、多分それが不快感の理由に

なっているようです。料理をすることに男女差はあるべきではないからです。

 

この本の影響で「#MeToo」活動などもより一層世界に広まったそうです。

SNSで性的搾取などを経験した人々が声を上げる活動のことです。

ジェンダー意識が少しずつ、少しずつ変わっているのですね。

 

女性にも男性にも、性別年齢問わず多くの人に読んでもらいたい一冊です。

 

「あなたに、少しでも悔しいことや、悲しいこと、つらいことがありませんように。」

主人公の女性キム・ジヨンが就職するときにボーイフレンドがかけた一言です。

 

私にもし娘ができたときに、少しでもジェンダーバイアスで苦しむことがないような、

少しでも悔しいことがないような世の中になっていますように。

 

ではまた。

さんぱいじゅんぱ。