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読書日記

神郡が読んだ本の感想や、諸雑記を書いていくブログ。
知り合いには見せられないなあ。

県内で一番投票率の低い地域に住んでいます。政治家にしてみればけしからん事態なのだろうけれど、それは裏を返せば政治に不満のない、幸せな地域だということかもしれません。現状に不満がないことが不満だというのはまた変な話。



はい、また溜めてしまった。時間のある日に一気に何冊か読むのは、頭がこんがらがっていけない。


・森博嗣『θは遊んでくれたよ』

・千早茜『あやかし草子』

・道尾秀介『花と流れ星』

・仁木英之『僕僕先生』

・森見登美彦『恋文の技術』(再読)


作家縛りで読んでいるので、最近は同じ作者ばかり巡っている。著作が多い人は集めるのが大変だ。かといって少ないと物足りない。でも、何年も待って新作が出た時のわくわくは堪らないな!


・森博嗣『θは遊んでくれたよ』

前回『φは壊れたね』の続編。ギリシャ文字からタイトルを取っているためGシリーズというらしい。著作が多い人。ちなみにシータと読みます。前回はファイ。次巻はΤ(タウ)。


――那古野で起こった転落事件。死体の額には口紅でギリシャ文字の「θ」が描かれていた。最初は飛び降り自殺とされたその事件だが、その後も相次いで「θ」の描かれた転落事件が発生した。1人目の自殺者のパソコンには、『θ』という名の、人工知能と会話の出来るサイトへのアクセス履歴があった。(ウィキペディアより転載)――


トリックは理解できたけど、理由がよくわからなかった。まあいつもだけど。

このシリーズ、最後まで読み進めていって結末が他のシリーズ読んでないと理解できない類の小説だったら困るな。シルバー事件ありきの花と太陽と雨とみたいに。


・千早茜『あやかし草子』

――古き都の南、楼門の袂で男は笛を吹いていた。門は朽ち果て、誰も近づくものなどいなかった。ある日、いつものように笛を吹いていると、黒い大きな影が木立の中に立っていた。鬼だ。だが男は動じず、己を恐れない男に、鬼はいつしか心を開き……(「鬼の笛」) 京都に伝わる民話・伝説をベースに、泉鏡花賞受賞作家が繊細な筆致で紡ぐ摩訶不思議な物語。「鬼の笛」「ムジナ和尚」「真向きの龍」「天つ姫」「機尋」「青竹に庵る」の6篇を収録。(Amazonから)――


毒が無い、というのが一番の感想。

民話をベースにというので、『おとぎのかけら』のようなダークで生々しい短編集かと思っていたから意外だった。

昔から「○○するまで何々してはいけない」と言われたら、それを破るのがむしろ当たり前であり、最後は悲惨な目に合うのがお約束だ。振り返ったイザナギ然り、ロトの妻然り、オルフェウス然り。

『鬼の笛』の中でも、男は笛のお礼にと鬼から美しい女を貰う。「ただし百日経つまでは手を出してはいけない」と言われるが、それはダチョウ倶楽部における絶対に押すなよ張りの前フリであり、この時点で読者はいつ破るのか、その後どんな悲惨な目に合うのかに焦点が行く。

その過程を、かなり美しく、丁寧に描いた。もしかしたらこのまま終わるんじゃないかと思わせるくらい。しかしやはりそこはお約束。ただ、寓話でありがちな教訓的な終わりではなく、非常に人間的な心理でもって男の悲哀をあらわしていた。

全体的にそんな「ちょといい話」風なので、ピリッとくる話を期待せず、宮部みゆきを読むように読んだらいと思う。


・道尾秀介『花と流れ星』

唯一(だと思う)のミステリーシリーズ。『背の眼』、『骸の爪』に引き続き、探偵(役)の真備(まきび)が霊現象かもしれない事件を解決していく話。


――死んだ妻に会うために霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛と、彼女にほのかな思いを寄せる、売れない作家・道尾。3人のもとに、傷ついた心を持った人たちが訪れる。友人の両親を 殺した犯人を見つけたい少年。自分のせいで孫を亡くした老人……。彼らには誰にも打ち明けられない秘密があった。人生の光と影を集めた、心騒ぐ5編。(Amazonより)――


唯一(だと思う)とはいえ、真備が万能すぎてあんまり……なシリーズ。美形で背が高くて頭が良くて博識で洞察力が鋭いので、そうそう感情移入できない。その分、友人の道尾が平凡な一般人を代表している。ホームズとワトソンのような関係? 読んだ事無いが。(犬のアニメは好きだった)


・仁木英之『僕僕先生』

――時は唐代。若き王弁は父の財産に寄りかかり、学ばず、働かず、娶らず、ひたすら安逸を貪っていた。そんなある日、父の命で黄土山へと出かけた王弁は、そこでひとりの美少女と出会う。自らを僕僕と名乗るその少女、なんと何千何万年も生き続ける仙人で…不老不死にも飽きた辛辣な美少女仙人と、まだ生きる意味を知らない弱気な道楽青年が、五色の雲と駿馬を走らせ天地陰陽を大冒険。(Amazon引用)――


城戸光子『青猫屋』から、日本ファンタジーノベル大賞ファンなので。第18回大賞受賞作。

読んでいて封神演義を思い出した。ライトノベルに近いのだけれど、時代背景がしっかりしているので時代ものとしても読めるかもしれない。

話は、主人公の王弁と仙人の僕僕の冒険を軸に、仙人に頼る者と排斥する者の対立を、人から仙人から見た形で進む。ただの冒険もので終わらなくて良かった。キャラクターが動き回るだけで成立する話は、小説といわず映画でも漫画でもあるけれど、ワーッとその時だけ楽しくて何も残らない気がしてしまう。

いや、ファンタジーだからそれでいいのだけどもね。続編が出ているみたいだけど、どうしようかな。


・森見登美彦『恋文の技術』

好きな作家は? と訊かれたら、森見登美彦か乙一と答えるかもしれない。何度か読んでいるのだけれど、最近また読み直した。やっぱり面白いなぁ。


最近、過去に読んで面白かった本や漫画やゲームを再読したり買い戻したりしてしまう。

つい先日もドラクエⅤを夢中でやってしまった。スーファミで。ドラクエⅤめちゃくちゃ面白いね! いつも魔界でデータ消えるからエンディング見た事無かったんだけど、中断せずに徹夜でクリアしたよ。初めてプレイしたRPGだったし、懐かしかったなあ。

と、懐古趣味に走ってしまっている。


新しく好きなものをみつけるのは大変だけれど、好きだったものを懐かしむのは簡単だ。

それは現状に不満がないから変化を望まないのと一緒のことかも知れず、幸せだけど消極的に過ぎる。

立てよ国民! とまでは言わないが、新しいものを受け入れてみる度量くらい、持ってみるのもいいかもしれない。


本の話ですよ。


また長くなってしまった。

さようなら。



『返事が ない・・・

ただの しかばねの ようだ』