NHKの「妄想ニホン料理」が好きで毎週ほとんど欠かさず観ていたのですが、番組改編で時間帯が23:30から20:00に、毎週から月一に代わりました……観られないよその時間じゃ……しかも月一って。
せめて再放送くらいは以前と同じ深夜にやってください。お願いします。本気で。
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・江戸川乱歩『黒蜥蜴』東京創元社 (1993/05)
・クラフト・エヴィング商會『アナ・トレントの鞄』新潮社 (2005/7/22)
・万城目学『偉大なる、しゅららぼん』集英社 (2011/4/26)
・桜庭一樹『ほんとうの花を見せにきた』文藝春秋 (2014/9/26)
・皆川博子『皆川博子コレクション6 鶴屋南北冥府巡』出版芸術社 (2014/7/31)
・江戸川乱歩『黒蜥蜴』
――左腕に黒蜥蜴の刺青をした美貌の黒衣婦人。社交界の花形にして暗黒街の女王は、大阪の富豪岩瀬家の秘宝「エジプトの星」とその愛娘を狙って、大胆にも明智小五郎に挑戦状を叩きつけてきた! 三島由紀夫の脚色による映画・演劇によって、さらにその名を天下に知らしめた、妖しい女賊と名探偵との宿命的な恋を描く長編推理。挿絵・林唯一――
色々な版元から出ている有名な作品。こちらは東京創元社のもの。連載時の挿絵がついています。
明智小五郎、黒蜥蜴、緑川夫人、名前だけは知っていましたが実は読んだのは初めてでした。
トリック的には、現代で同じことをやったら批判されそうです。
実は変装だったのだ、変装して潜り込んでいたのだ、変装してすり替わっていたのだ、が多いのでいやいやいやと突っ込まれそう。
もちろんこの作品の評価はそんなところにはありません。
美貌の女盗賊、腕に黒蜥蜴の刺青をした緑川夫人を名乗る妖婦。名探偵明智小五郎。狂言回しのように読者に語りかけてくる文章。息つかせぬ展開に手に汗握る攻防、ラストの切なさ。
派手な作品ですよね。贅沢というか、これでもかというくらいエンターテイメントのいい所詰め合わせた作品。名作というのもうなずけます。
個人的な好みでいえばわくわく感はあるけれど、後半視点が緑川夫人に移ってからの猟奇趣味、そして小物感が出てくる展開は残念でした。もっと妖しく高貴な貴女でいて欲しかった。
いい意味でも悪い意味でも、その時代をうつす作品だと思います。
・クラフト・エヴィング商會『アナ・トレントの鞄』
――遠くから見つめていたものがいまなら手に入るかもしれない。時空を越えた旅とあたらしい商品カタログ。
抜粋
いまはもう昔――、
『ミツバチのささやき』という映画を観たとき、主人公を演じるアナ・トレント嬢が手にしている鞄が気になった。
気になったというか、あるいはもっと単純に「気に入った」というべきか――。
その鞄をいつか手に入れたいと夢見るうち、誰かに奪い取られたかのようにごっそりと時間が流れた。
時移り、二〇〇三年九月。
スペインはサン・セバスチャンで開かれた映画祭のポスターに、『ミツバチのささやき』をモチーフにした不思議な写真があらわれた。
奥行き長く伸びる線路の上にふたりの少女を配し、三十年前の映画の一シーンを再現している。ひとりは線路に耳をあててうずくまり、ひとりはこちらを見据えて線路の上に立っている。
かつての一シーンのとおり、立っているのはアナなのだが、驚いたことにそのポスターのアナはよく見るとかつての少女ではなく、成熟した女性として、しかし少女のときの格好のまま、こちらをじっと見つめている。
時のパースペクティブを思わせる線路の上には、あの懐かしき鞄も健在だった。
そこでふいに、「もういちど」という言葉が頭をよぎる。
長らく気になっていた――いや、気に入っていたその鞄をどうにかして仕入れ、我がクラフト・エヴィング商會のあたらしい商品カタログに紛れ込ませたい――
いまいちど手をのばしてみて、それがまだそこにあるのかどうか確かめてみたい。
かくしてふたたび、仕入れの旅に出かけることになった。
古今東西、あらゆる時空へ向けての仕入れの旅。
ここに集められたのはそのひとまずの成果と言っていいかどうか――。
探したのは、あくまで「アナ・トレントの鞄」だったが、時のパースペクティブは、魅力的でとんちんかんな寄り道をつぎつぎ用意して待ち構えている。
このカタログに並んだのは、さしずめ鞄の中身ということになるだろうか。――
細部を描くことで全体を表現するという試みでしょうか。アナ・トレントの鞄に入っているに違いないものたち。
「七つの夜の香り」が欲しいです、というか、「七つの夜の香り」を読みながら思い出した夜の香りが懐かしかったです。
・万城目学『偉大なる、しゅららぼん』
――高校入学を機に、琵琶湖畔の街・石走にある日出本家にやって来た日出涼介。本家の跡継ぎとしてお城の本丸御殿に住まう淡十郎の“ナチュラルボーン殿様”な言動にふりまわされる日々が始まった。実は、日出家は琵琶湖から特殊な力を授かった一族。日出家のライバルで、同様に特殊な「力」をもつ棗家の長男・棗広海と、涼介、淡十郎が同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がる…!――
どうしよう、面白かった。
なんとなく惰性で読んでいた作者というか、好きか嫌いか判断するにもまず読んでからと思って読み続けていた作者だっただけに、これは意外な展開。
単に作品の好みというのもあるのかもしれませんが、少年漫画的超能力バトルが面白いってはっきり言うのも少し恥ずかしいですよね。いや、好きなんですけど。ドラゴンボールとか凄く好きなんですけど。
書き方としては、最初から説明はしないでキーワードだけ出して、後で段々意味を明かしていく、という構成を取っています。なので嫌でも先を読みたくなる。最近では恩田陸の『夜の底は柔らかな幻』がこのタイプでしたね。あれはひどかったけれど。
主人公が巻き込まれ型でライバルが二枚目で、実は隠された力が合って反目しあうライバルと力を合わせて敵を倒す、実に王道なんですが、最後が一捻りあります。
キャラクターも立っているし、ばかばかしいし、面白いなあ悔しいけど。
・桜庭一樹『ほんとうの花を見せにきた』
――少年「梗」を死の淵から救ったのは、竹から生まれた吸血鬼バンブーだった。心優しきバンブーと、彼に憧れる梗との楽しくも奇妙な共同生活が始まる。だが、バンブーにとって、人間との交流は何よりの大罪であった。――
『無花果とムーン』以来の桜庭一樹の新刊です。といっても出たの去年でしたね。もっと最近だった気がしていた。
これもまた面白かったなあ。あんまり期待していなかったのですが、やられました。
「ムスタァ、僕のバンブー!」
竹で出来た植物性の吸血鬼・バンブーという一族の連作3編です。
姿形は人間とそっくりで、死んだ人間の血を啜り、夜の間だけ動きまわり、鏡に映らず、120年に一度花を咲かせるというバンブーたち。
『ちいさな焦げた顔』では、家族を殺された少年がムスタァというバンブーに助けられて、海に面してバラックが立ち並び、色んな国の人間が住むスラムのような無法地帯がある日本のどこかの街にやってきます。
そこでムスタァと、もう一人のバンブー・洋治に育てられ、成長し、やがて――
読んでいて思ったのは、萩尾望都の『ポーの一族』。その中のリデル人形の話に最初少し似ているなあと。二人の吸血鬼に可愛がられて育てられて、大人になったら別れの時が来る。
要は少し少女漫画的な甘い耽美な所がある作品ではあります。
でもバンブーの掟で人間と交流した罪を咎められるシーンは、無力感に胸が痛くなります。
表題の『ほんとうの花を見せにきた』や『あなたが未来の国に行く』もいいのですが、やはり最初の話のインパクトが強くて、これだけとても好きです。
甘いですけど。
そういえばニータはどうしたんだろう。
鏡に映らない、というよくある設定の活かし方も斬新でした。自分では身なりを整えることが出来ないから、バンブーは誰かとペアを組んだり集団で行動する。だから一人のバンブーはすぐにわかる、とか。
そういえばそうだよなあ。
・皆川博子『皆川博子コレクション6 鶴屋南北冥府巡』
――コレクション第二期始動!歴史のベールに隠された鶴屋南北の半生と妖しき芝居の世界へ誘う表題作ほか4篇を収録。――
第二期入りました。一期と装丁の色が違って青いです。
鶴屋南北と言えば『東海道四谷怪談』です。お岩さんですね。『鶴屋南北冥府巡』は少年時代から立作者になるまでを描いた作品なのでお岩さんは出てきません。
49歳で初めて立作者となった南北(勝俵蔵)は、何故こうも下積み時代が長かったのか? 善悪が入れ替わったり、おどろおどろしい作品が多いのは何故か? といった謎を元にした作品です。
実在の人物を元にしているから当然と言えば当然なのですが、サクセスストーリーって珍しい気がしました。
皆川博子って弱い人物が主人公の話が多いイメージがあって、もちろんこの作中でも主人公は酷い目に何度も遭うのですが、芯が強いというかハートが強いというか、こういう性格は新鮮。
冒頭にラストの芝居の場面を持ってきて、そこから回想に入り、最後に冒頭と繋がる。そこで「なるほど」と意味のわかるところもあり、巧い作品でした。
他に、歌舞伎の元祖といわれる出雲の阿国を描いた中編『二人阿国』、短編『蘭鋳』『琴のそら音』『泉の姫』、エッセイ集を所収。
歌舞伎は男性が演じるものですが、最初に始めたのは女性なんですねぇ。勉強になります。
『泉の姫』は舞台用に書いた作品らしく、『水妖記』を元に時代劇にアレンジしたものです。『水妖記』いいですよね。『オンディーヌ』もラストのセリフが好きです。
しかしこのシリーズ、7から先図書館にないんですよね、どうしよう。
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だいぶ前にもですね、毎週金曜日の深夜に放送していたNHKの「劇場への招待」が終わってしまってショックだったんですよ。「2355」をはじめ好きな番組も多いので、あんまり変えないで欲しいです。切実に。
それでは、また。
さようなら。
『ついにきたか!伝説の勇者たちよ!まってたぜ!』