最近、何度パソコン内の「ビデオ」フォルダ(空)をごみ箱に入れても、次に起動するとデスクトップに復元されているんですよね……。
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・吉永南央『紅雲町ものがたり』文藝春秋 (2008/01)
・新井素子『未来へ…』角川春樹事務所 (2014/11/13)
・大森兄弟『わたしは妊婦』河出書房新社 (2013/4/11)
・西條奈加『六花落々(りっかふるふる)』祥伝社 (2014/12/11)
・米澤穂信『ボトルネック』新潮社 (2006/8/30)
・米澤穂信『リカーシブル』新潮社 (2013/01)
・米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』新潮社 (2008/11)
・辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』集英社 (2011/5/26)
・辻村深月『太陽の坐る場所』文藝春秋 (2008/12)
・小野正嗣『水死人の帰還』文藝春秋 (2015/6/5)
・小野正嗣『九年前の祈り』講談社 (2014/12/16)
・マルキ・ド・サド『美徳の不幸』河出書房新社 (1992/12/4)
・サガン『悲しみよ こんにちは』新潮社; 改版 (1955/6/25)
・ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』岩波書店 (1997/2/17)
締め切りが9月までのものがあって、ここ一ヶ月ほど読書感想文書いてる暇がありませんでした。(本を読む暇は正直ありました)
おかげで5年掛かった作品が完結しました。が疲れましたゲームしたい。
・吉永南央『紅雲町ものがたり』
――離婚や息子との死別を乗り越え、老いても自分の夢にかけた大正生まれのお草。知的で小粋な彼女が、街の噂や事件の先に見た人生の“真実”とは―。オール讀物推理小説新人賞受賞作を含む連作短編集。――
以前に続編から読んだ作品。たまたまシリーズ最初のこちらが手に入ったので読了。
安定していて読みやすいです。事件の調査中に徘徊老人と間違われて通報されるなんてお草さんくらいなものではないでしょうか。
明るい話題は少ないですし、人間の嫌なところも少なくないですが、その分いいことが何倍にも感じられるような話でした。
・新井素子『未来へ…』
――20年前、母になった私(若葉)は、ふたりの子供と優しい夫に囲まれて、いつまでも幸せな日々が続くとおもっていた。けれど1996年の夏、ある事故が起こってしまう。そして2012年1月、成人式を迎えた“ひとり娘”の菜苗から、旦那と私は思わぬお願い事を告げられた。「かなちゃんのお仏壇を、だして」―覚えていたのか、菜苗!あの日から、いままで家庭内で触れずに過ごしてきた菜苗の双子の姉・香苗の存在を…この日をきっかけに、母と娘の不思議な日々が幕を開ける。双子姉妹と母親の愛あふれる感動長篇。――
あらすじだとわからないですが、ちゃんとSFです。パラレルワールド?
娘の香苗がまだ生きていた頃の幼稚園の時の夢を、毎日一日ずつ見るようになった若葉。やがて今の自分の想いが過去の自分に伝えられることに気付くと、若葉はどうにかして香苗の事故死を回避しようとしだす。
そんな母の異変に気が付いた菜苗は半信半疑ながらも協力することになって――
相変わらずの怒涛の一人称で面白い。でも菜苗の喋り方はないかなー。そこもまたいいですけど。
ちょっと回りくどいような場面もありますが、最後はどうなるんだろうという思いで読めました。
もう新井素子ならなんでもオーケーな気がしているのですが、初めて読む人はどうなんでしょう。
・大森兄弟『わたしは妊婦』
――私は妊娠3ヶ月。「きみだけの体じゃない」「妊婦さんなんだから」って言われるけど、急に生活や性格は変えられない! 落ちこぼれ妊婦の痛快な反撃を描く話題作。「ベランダ渡り」収録。――
兄と弟で一緒に書いている珍しい作家さん。『犬はいつも足元にいて』『まことの人々』も以前読みました。
能天気な夫と、恵まれている友人に囲まれて追い詰められていく「私」が、そのイライラをどこへ持っていくのかが見どころです。
最後、好きでした。
・西條奈加『六花落々(りっかふるふる)』
――冬の日、雪の結晶の形を調べていた下総古河藩の下士・小松尚七は藩の重臣・鷹見忠常(のちの泉石)に出会う。その探究心のせいで「何故なに尚七」と揶揄され、屈託を抱える尚七だったが、蘭学に造詣の深い忠常はこれを是とし、藩の世継ぎ・土井利位の御学問相手に抜擢した。やがて江戸に出た主従は、蘭医・大槻玄沢や大黒屋光太夫、オランダ人医師・シーボルトらと交流するうちに、大きな時代の流れに呑み込まれていく…。――
実在の人物である鷹見泉石を描いた作品。シーボルト事件や大塩平八郎の乱が見どころです。
あんまり歴史詳しくないのでピンときませんでしたが、歴史好きには面白いであろう作品。
あとやっぱりこの人の作品の主人公は弱い、というか無名というか、のびた君的ポジションなのはおなじみでした。
最近読んだ本だと『天地明察』に似ているかなあ。
・米澤穂信『ボトルネック』新潮社 (2006/8/30)
――懐かしくなんかない。爽やかでもない。
若さとは、かくも冷徹に痛ましい。
ただ美しく清々しい青春など、どこにもありはしない——。
青春ミステリの旗手、最新書き下ろし長編――
パラレルワールドミステリー?
恋人の弔いに訪れた岬で、眩暈を感じた瞬間、気が付くと「自分が生まれなかった世界」に来ていた主人公。自分の家には見知らぬ「姉」がいて――
米澤穂信は初めて読みました。最近『満願』で賞を受賞したり『氷菓』がアニメ化されたり、なにかと話題の作者。名前だけは知っていたのですがなんとなく読む機会もなく。
作風としては、うーん、道尾秀介に近い? 暗い、青春、ミステリー、なところとか、読みやすい文体とか。
いやしかし、読後感の悪さはなかなか素敵でした。
・米澤穂信『リカーシブル』
――青春の痛ましさを描いた名作『ボトルネック』の感動ふたたび! この町はどこかおかしい。父が失踪し、母の故郷に引越してきた姉ハルカと弟サトル。弟は急に予知能力を発揮し始め、姉は「タマナヒメ」なる伝説上の女が、この町に実在することを知る――。血の繋がらない姉と弟が、ほろ苦い家族の過去を乗り越えて田舎町のミステリーに迫る。著者2年ぶりとなる待望の長編登場。――
というわけで他の作品も読んでみようと思いました。
こちらはそうですね、家族の痛ましさでした。ミステリー色はこちらの方が強い。
ミスリードを誘う展開が多いものの、推理好きの方には面白いんじゃないでしょうか。
すっきりした後味に思えてこれからを思うと素直にハッピーエンドでは終われないような、そんな話です。
でも正直米澤穂信が好きな人ってそれを期待しているんだよね!
・米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』
――夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。――
「ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。」
という煽り文句に惹かれて読んでみました。
うーん。ラスト一行ではない。どんでん返しはその前に既に起きているんですよね。うわっとなったのは『玉野五十鈴の誉れ』くらいです。
結構似たような話が多くて、善人が悪人でした、みたいな展開が多い印象。舞台もほぼ名家旧家ですし。
ただ面白くない訳ではなく、ラスト一行に期待しすぎなければ、独特の世界観や非日常的空間を楽しめる連作ミステリーだと思います。
・辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』
――中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。――
今回読んだ中で一番痛々しい話でした。これはいじめの話ですね。
家でも学校でも居場所がない主人公が、自分が殺される計画を立てている時だけいきいきとしているという嫌な話です。
でもぐっと何か迫るものがある話です。ラストシーンの盛り上がりはここ最近ないくらい熱い展開でした。面白かった。
けど、エピローグは個人的にはいらなかったかなあ。いい話になり過ぎてしまって醒めてしまう。でもスケッチブックのくだりはよかったしなあ。
でも読み終わったあと冷静に考えると、徳川って何考えてたんですかね。
あと表紙が素敵です。
・辻村深月『太陽の坐る場所』
――高校卒業から10年。クラス会に集まった男女の話題は、女優になったクラスメートの「キョウコ」。彼女を次のクラス会へ呼び出そうともくろむが、「キョウコ」と向かい合うことで思い出される、高校時代の「幼く、罪深かった」出来事―。よみがえる「教室の悪意」。28歳、大人になってしまった男女の想いを描き、深い共感を呼び起こす傑作ミステリー。辻村深月の新境地。――
一人ずつ語り手が変わっていくオムニバス的作品。伏線が多すぎて本題はなんだっけ? となりかけました。
でも本当に結局何が問題だったんだっけ。あれとこれが繋がらない感じがします。
後半もの凄いどんでん返しがあるんですが、ストーリーには影響しない……でもないような。
過去と現在は違いますもんね。
色々どろどろしていますが面白い作品だったと思います。
今のところ辻村深月は「読んでる時は面白いけどあとになって冷静に考えるとよくわからない」位置づけにいます。
・小野正嗣『水死人の帰還』
――「九年前の祈り」で芥川賞を受賞した作家の、奇想あふれる6篇。
これが小説の底力!
遠い号砲が、オジイの戦争の記憶を呼び覚ます。
悪戯者の猿は、オバアの血を騒がせる。
冥界から使者が訪れ、水死人は姿を変えて帰還する――。
最初の作品から20年の光跡を示す、魅惑の短篇集。――
大江健三郎っぽいかもしれない。「浦」を舞台にした連作短篇集。面白いというには難解すぎる。
うーん、ストーリーや展開を書いているというよりは、「浦」という土地を描き出しているというのか、話が理解出来なかったからそう感じるだけかもしれませんが。
すごく泥臭い作品です。方言もあいまって。
ただ支局長好きー。
・小野正嗣『九年前の祈り』
――三十五歳になるシングルマザーのさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった。表題作「九年前の祈り」他、四作を収録。――
芥川賞受賞作。先に『水死人の帰還』を読んでおいてよかった。これも「浦」シリーズです。発行年はこちらの方が先なんですが、時系列的には『水死人の帰還』の後? ガイコツ人も来ているし。
連作なんですよね。それでたぶん「みっちゃん姉」の息子の「タイコー」の話。
『九年前の祈り』は、普通に面白く読めました。カナダ旅行のくだりが好きです。騒がしいおばちゃんたちがおかしい。教会でひざまづく人たちを見て「あん衆は、何をしよるんじゃろうかーい?」「祈りよる」というところとか好きです。
障害を持っているけど天使のように美しい息子、粗野だけど優しいおばちゃん、優しいけどデリカシーのない人々。自責の念と憎しみ、だからこその救い。
上手く言えないけどそんな話でした。
他の収録作品を見る限り、浦はそこそこ賑わっているようでなんだか安心しました。
でも個人的には! 『森のはずれで』や『獅子渡り鼻』なんかの作風が好きです。
・マルキ・ド・サド『美徳の不幸』
――サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇である。バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。
――
澁澤龍彦訳。知ってて読んだんですけど若干後悔。
とにかくジュスティーヌが悪徳を拒み続けて、結局考えられる限り最悪の事態に自ら陥ってしまう展開の連続。救いはないか、あっても次の不幸を助長させるためのもの。
というかこの本に出てくる聖職者は何故にみんなこんななの? 悪徳栄え過ぎ。
『ジェローム神父の物語』なんか、無限の住人の尸良もここまでやんねえぞ、というレベル。
おなかいっぱいです。
・サガン『悲しみよ こんにちは』
――若く美貌の父親の再婚を父の愛人と自分の恋人を使って妨害し、聡明で魅力的な相手の女性を死に追いやるセシル……。太陽がきらめく、美しい南仏の海岸を舞台に、青春期特有の残酷さをもつ少女の感傷にみちた好奇心、愛情の独占欲、完璧なものへの反撥などの微妙な心理を描く。発表と同時に全世界でベストセラーとなり、文壇に輝かしいデビューを飾ったサガンの処女作である。――
夏の話が読みたかったので。
結構ライトな書き口ながら嫌な話です。
でもなんとなく全体に爽やかな感じがするのはなぜでしょう。
誰かが傷ついているシーンが多かった印象。
・ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』
――ドイツの鉱物学者リーデンブロック教授は,16世紀の錬金術師が謎の文字を書き残した羊皮紙を発見,甥アクセルの協力を得て苦心のすえ解読した.そこにはアイスランドの火山の噴火口から地球の中心に達することができると書かれていた.これが13週間に及ぶ地球内部への旅の始まりになった.ヴェルヌ(1828-1905)の最高傑作.挿絵多数.――
続・夏の話が読みたかったので。いや全然夏の話ではないのですが、冒険旅行って夏っぽくないです?
『海底二万里』も好きでしたが、こちらもなかなか。博物学の知識が豊富で、リアリティがあるんですよね。
偉人だが変わり者の伯父リーデンブロック教授と、何事にも動じることのないある意味一番変人の狩人ハンス、ごく普通な感覚の持ち主である教授の甥アクセル。この三人が地球の中心を目指して地底探検をします。
アイスランドの火山の噴火口から下りて、地底の海へと辿り着き、噴火活動に乗ってまた地上へ戻ってくるまでの冒険記。
いやぁ、楽しかった。
でも意外と探索の苦しみのほうが前面に出ていますね。とにかく水がないし、道に迷うし、はぐれるし、怪我するし。本当にどうやって帰るんだろうと心配になりました。
教授が無茶を言い、アクセルが泣きごとを言い、ハンスが教授の味方につくのでしぶしぶ進む。結局アクセルが参る、教授が優しくなる、元気になるとまた無茶を言う、という愉快な仲間達。
超巨大きのこの森、行ってみたいなあ。
でも地底の海の果てはどうなっていたんだろう。
噴火と共に戻るって、普通しんじゃう。
あのあと探検はもう行われなかったのかな。
と読後も色々想像出来るので、まだ読んでいない方は読んでも後悔しないと思います。
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ちゃんとごみ箱に移動した後完全に削除もしているんですけどねー。なんかのウイルス? 呪い? 塩撒いてみようか……。
というわけで、また。
さようなら。
『ヒデオ』