その映画は1350分開演。

 早めに行って、

 明太子のおにぎりとそぼろのおにぎりを食べ、ポップコーンとウーロン茶を買って時間を待っていた。

 テーブルに途中で若いカップルが相席してきた。無言で、座る。

 いいけど。

 

 開演5分前にご案内します、と売り場のお姉さんは言っていたけれど、

 時計を見ると、

 1350分になろうとしている。

 ん?

 遅れている?

 聞き逃した?

 立ち上がって、チケットのもぎりのところに行ってみる。

 チケットを見せながら

「まだですか?」

「今準備しています。5分前になりましたらご案内します」

 えっ?

 私の腕時計は1350分ちょっと過ぎてますけど・・。

 声には出せず、何となく腕時計を見せようとしてみる。

 反応なし。

 

 殆ど14時になろうかという頃、

AI崩壊のチケットをお持ちの方」と呼び出しがあった。

 しょうがない。遅れているらしい。

 

 映画は面白かった。

 天才科学者役の大沢たかおさんがやけにマッチョで、

 おおお、と感嘆するような、違和感のような。

 でも、天才科学者だから。

 まあ、面白かったから。

 そこに近未来があるようなところが面白いような怖いような。

 

 終了は1610分の予定だったのが、当然ながら、遅れて始まったからか、

 1625分ほど。

 やっぱりね、と何となく納得しながら地下鉄の駅に向かう。

 ちょうどホームに立った時に電車が通り過ぎていった。

 次は何時かな。

 電光掲示板を見ると次は172分。

 で、自分の時計を見ると1715分くらい。

      ?

 やっと気づいた。

 念のため、スマホを確認。

 17時だった。

 そうかぁ。

 この腕時計はかれこれ20年、いや21年目。

 バンドはさすがに変えているから新品っぽいけれど古い付き合いになる。

 15分進んでいたんだといまさら納得する。

 もぎりのお姉さんに悪いことしたなぁと

 いまさら気づく。

 

 少しも疑わず、人のせいにしていた自分が・・・、

 ちっちゃい。

ふぅ。

 

     時刻を合わせたら、

    腕時計はまた律儀に動いている。

 大丈夫かなぁ・・。💦