The Miracle Workerは有名な劇や映画のタイトルです。日本語名は「奇跡の人」「奇跡の人」で真っ先に浮かぶのはヘレン・ケラーだとおもいますが、タイトルを見るとWorkerとなっています。つまり「奇跡をもたらした人」、ヘレンの家庭教師だったアニー・サリバンを指しているんですね。
ヘレンケラーは有名ですが、意外に彼女に関する著作は少ないんです。
井戸の水を触って叫ぶ場面が劇や映画では有名ですが、実は発音できるのはもっと後なんですね。「ヘレン・ケラーはどう教育されたか」という本を読めば、「奇跡の人」がかなり演出されたものということが分かります。またヘレンの努力が素晴らしいことも分かります。
アニー・サリバンはもっと注目されていいと思うんですが、厳しい先生くらいの認識しかないような気もします。彼女は、ヘレンを教育しただけではなく、その後ずっと、ヘレンの目の代わりをつとめました。指文字で通訳していたのです。ヘレンが大学で勉強していた時も、講義の内容を指文字で伝えていました。
アニーは、1866年にマサチューセッツ州のアイルランド系移民の極貧家庭に生まれました。8歳のときに母親は病気で失い、10歳では、アルコール中毒の父親に育児放棄され、弟のジミーと一緒に救貧院に預けられます。当時の救貧院は牢獄のような施設でした。不衛生で劣悪な環境のため、最愛の弟のジミーは数か月で亡くなってしまいます。サリバンは弟を前にして、「世界中でただひとつ愛したものを失った」と泣き、自殺を考えたと、語っています。さらに幼い頃に感染したトラコーマによって視力を回復することはありませんでした。
アニーが極貧の出であることは、ヘレンにもずっと隠していました。自分が64歳、ヘレンが50歳になるまで。衝撃的なことでしたが、ヘレンはますます尊敬するようになったそうです。ヘレンの最後の著作はTeacherです。
アニーをヘレンの家に紹介したのは、電話を発明したグラハム・ベルです。彼は大学で音声学を学び、ボストンでろう学校を開校するくらい、ろう教育に尽力しました。ろう教育に詳しい彼にヘレンの父親が相談し、紹介されたのがアニーです。
ベルの妻が聴覚障がいを持っていて、補聴器を開発しようと取り組んでいる過程で電話機が発明されたのは有名な話ですね。