当時、私は彼の提案で、何にお金を使ったか手帳に記録していた。
その日も、コンビニに寄ったので買った物と金額を車の中で記録した。そして事件は起こった。
メモ帳に付いていた小さな鉛筆を車内に落としたのだ。なーんだとお思いでしょう
彼にとっては許されないことだったのです。
カチャッと小さな音がして私の「あっ」という呟きを彼は聞き逃さなかった。
「何か落とした?」
「うん、鉛筆」
軽い感じで答えると彼はため息をついた。
そして、無言…話しかけても無視
そして、目的地の動物園についた。
車を止めると「ハイ、探して」
無表情な声で彼は言い、外に出てタバコに火をつけた。
私はシートの下を探し始めた。アチコチ覗き込み、手を入れて探すが…ない。なぜかありそうにない。
すぐ見つかると思っていた私は焦り始めた。けっこうな時間、探した。
「もういいよ、先に動物園に行こう」
そう言ってくれると思っていた。
「帰るぞ」
彼は車に乗るとエンジンをかけ、来た道を戻り始め、高速に乗り、ほんとに帰り始めた。動物園…駐車場まで行ったのに!
途中のサービスエリアで、トイレやお店から遠~く離れた所に車を止めると、また
「探して」
そう言って、彼は一人でお店の方に歩いて行ってしまった。
風が強く寒い‼私は「なんて奴」と思いながらも、車のドアを全部開け放ち探した。
もう意地だった。
でも、ない。
彼はずいぶん時間が経って戻って来た。私に暖かい缶コーヒーか何か…いやいや、手ぶらで戻って来た。
「あった?」
あったと嘘をついても「見せて」と彼は絶対言う。正直に「ない…」
「ここまで探してないってことは、実は膝の上とかに乗ってて動物園で一度降りた時に外に落ちたのかも」
「カチャって音がしたよね?」
「バッグのキーホルダーが当たったのかも」
私は本当にそう思って言った。探す所がなく、それしか考えられないと…
「ふーん」
嫌~な「ふーん」だった。
そして、彼は、黒いシートに私の白いニットワンピースの小さな毛糸があちこち付いていることに気づく…
また顔色が変わった!バンバン‼と手ではたいて…あー怒ってる怒ってる
「潜り込んで探したから、ごめんなさい」
無視。
帰りは、ガソリンスタンドの車内清掃コーナーで車内を念入りに念入りに掃除!
その間私は当然放ったらかし。私って何なのだろうって呆然としていた。
先日、子供を連れてその動物園に行った。
私は「やっと来れたー 付き合ってた頃こうで…結局ここの駐車場まで来たのに帰って」と全部話したら、なんとダンナは忘れていた!全然記憶にないと言う。
「信じらんない!理不尽なことさせられた方は忘れられないよ、そういう嫌なことってする方は忘れるってほんとだね~」
嫌味たっぷり
4歳の息子に、そういう男になっちゃだめよと、ことあるごとに言っているが、この時ばかりはダンナも苦笑いしていた。
