ある人と話していて


ふと思い出したこと。




わたしはどんな想いを持って

ピアノに向かってきたのか。





はじまりは

両親が音楽家だったから


ピアノはあたりまえにあるもので


好きとか嫌いとか

やりたいとかやりたくないとか


そんなことを考える前より先に



わたしのそばにいつも


あったもの。



のんびりのんびりやってきた先に

なんとなくふと音楽の道に行こうと決め



それからピアノは


"あるもの"から

"やるべきもの"へと変わっていき



受験のために必死で基礎を身につけ

練習に追われ

試験とコンクールに追われ



ただひたすらに


ときに目的を見失い


意地になり


プライドのためにやってきたような時期もあった。




ピアノを好きだと思ったことなんて

正直なかった。



けれど

大学のとき、ある人の奏でる音色に強烈に惹かれ


その音を出してみたいと思った。





またひたすらに音の出し方に取り組み

ひたすらにピアノの音と向き合い




いつしか

わたしにとってピアノは

好き嫌いを越えて


とても大切な存在となってた。






ピアノという楽器は

一度鍵盤をたたくと

どうあがいても


あとは消えていくしかない

儚さを持っている。


その儚さのなかに

どこまでもぬけていく自由な色を持っている。



そんなものを

ずっとピアノに見てる。







Ꭲʰᵃⁿᵏˢ‧˚₊✧*。‧