墨田区から「要望書」への、公式回答がでました! | 墨田区の子どもを放射能から守る会

墨田区の子どもを放射能から守る会

〜活動報告ブログ〜

放射能の問題に不安を抱くママパパが集まり、
育児のこと、食生活のこと、放射能問題など
交流することを基本に活動しています♫

こんにちは。
7月8日(日)に「交流会」を開催してから2週間以上が経ちました。
更新が滞ってしまい、すみません。交流会の詳細は早急にアップします。

取り急ぎ、墨田区内の保育園、幼稚園にお子さんを通わせている保護者のみなさんへお伝えします。
「墨田区の子供を放射能を守る会」(以下「会」)は、6月初旬に、区内にある86の保育園、幼稚園、小学校へ要望書を提出しました。(要望書はブログ、画面右にある「墨田区の子供を放射能から守る会」が区内86校に送付した『要望書』」からご覧になれます。)

心ある保育園関係者の方々より、会員へ個人的に見解を伝えてくれましたが、園として回答はありませんでした。
数週間たった7月初旬、当会の代表に墨田区から連絡がありました。

▶墨田区「『墨田区の子供を放射能から守る会』の皆様より頂いた要望書への回答について、どう答えるべきかと複数から連絡がありました。回答するためには、複数の課にまたがる場合もあり、関係課があつまり、合同の会議を開催しました。文書は完成しましたが、区長の決裁待ちです。つきましてはもうしばらくの間お待ちください」という内容でした。

電話でのやりとりから2週間以上経った7月23日、当会宛に児童福祉課から回答文書が届きました。届きました回答文書は以下のとおりです。(小学校に関係する回答文書は教育委員会も関わっており、今後連絡があると思われます。)

「区内の保育園・幼稚園へ提出した要望書への、墨田区の公式回答」

墨田区として公式の回答をいただけたことには感謝します。
しかし、回答の内容をみると、保育園や幼稚園に子供を預けている保護者の不安に全てこたえるものであるとはいえません。

①「保護者へ放射線量の高い場所があることを知らせる」
②「学校、園として、子供が遊ぶ場所の線量測定を行なう」
③「保護者から要望があった場合、敷地内の線量測定を認めるか」
について、区は「区内の区立公園等の区所有の施設について、放射線測定を実施し、対応基準を超えた場所は除染している」「測定結果はホームページに掲載している」「測定を要望する箇所について、施設管理者に申し入れをしてください」とあり、事実、今年度も墨田区内の保育園、小学校の放射線量測定、基準値を上回った場所の除染活動をしています。昨年に続き、今年度も区として測定をしていることは大変ありがたく思っています。ただ、残念なのは、測定結果について、区はあくまでもホームページに掲載するにとどまり、各保育園、幼稚園では、その結果を貼りだす、貼りださないかは、その園に任されている点です。パソコンをもっていない保護者は、線量結果を知ることができない場合も考えられます。子供たちが利用する施設(図書館や児童館)など公共施設は、多くの保護者も利用します。測定結果について意識のある区民だけではなく、すべての区民にむけ、目に見える形で線量結果を知らせて頂きたいと思います。

 この回答文書に「測定を要望する箇所」については「施設指定管理者」へ要望すれば、区として答えると明言していることは重要だと思います。保護者から「保育園で気になる10カ所を計測してほしい」と要望すれば、その場所を調べてくれるということです。今後要望していきたいと思います。

④「修学旅行、校外学習、運動会、プール・水遊び、外遊びなど、学校や園での生活や行事を行なう際、子ども達の被ばく量を最小限にし、安全を確保する為、保護者から要望があった場合には、充分な検討、対応をしてください。」について。

区は、「保育園内及び園外保育(散歩等)に係る場所については、定期的に測定しており現状では基準値内を確認しています。また、保育園のプールは水道水を利用し、毎日入替えをしているので安全と考えています。今後、ご要望がある場合、保育園内の測定を区が行います。」としていますが、当会の会員が通う保育園の側を線量測定した結果、区の基準を大幅に越えるホットスポットを発見しました。その場所は「環境保全課」に通報し、その後除染されましたが、都の管轄する場所ということで、いまにいたってもホームページには掲載されていません。会員がその事実を保育園関係者に伝え、散歩のコースから外してもらうなど、独自の努力をはらい子供を被ばくの危険から守っています。また、線量が高いとされる荒川など河川の側では土壌から4万2000ベクレルの放射性物質が検出されています。(日本共産党東京都議会議員団調査:墨田区荒川、八広の土壌汚染結果)各園の散歩コース、園外保育の場所を把握し、それをもとに調査しているのかなど今後も確認していきたいと思います。


⑤「放射能に汚染された食材が流通する事例が頻発しています。放射能汚染の可能性の高い食材の使用や調理法に慎重になってください。自治体や学校によっては、椎茸やキノコ類を給食で使用することを自粛しているところもあります。」について

「食材の使用、調理を慎重に行なう」
「食材の安全確認につきましては、現在、国や県の指示に従い生産者等が検査を行なっており、さらに東京都においてもスーパー等の小売店において買い取り検査を行っています。24年4月からはより一層の安全と安心を確保するために、新たな基準値が適用されています。保育園の給食食材は、市場や一般小売店から購入していることから、この基準を超えていないものであると考えています。
 その上で各園では、産地確認、野菜の洗浄や下処理作業(十分に洗う、皮や外葉をむく、湯通しする)を実施して食の安全に努めています。
 また、24年2月からはすべての保育園で毎月1回、調理済み給食の放射性物質測定を実施しています。これまでのところ、放射性物質が検出された施設はありません。」
とあります。

 墨田区は5月より、給食内に含まれる放射性物質の下限レベルを10ベクレルから5ベクレルへと、厳しい基準に設定を直しました。食材への下処理作業も慎重に行なわれているようで、この部分については保護者の思いに答えて頂いていると評価できるものです。しかし、給食の検査は区の回答にあるように「24年2月からはすべての保育園で毎月1回、調理済み給食の放射性物質測定を実施」とあり、各園で月1回しか検査されていません。検査の日に椎茸やキノコ類が使われている給食を計測しているのか…といえば、全てではないでしょう。
 墨田区内のある小学校では、子供を小学校に通わせる保護者たちがつくる「守る会」として、椎茸やキノコ類が給食に使われる日に検査を設定してほしいと学校と区に問い合わせしたそうです。 後日その小学校では干し椎茸やキノコ類を使用することを控えたそうです。放射性物質が多く含まれているといわれるキノコ類は、調理方法を慎重にしたとしても、食材そのものが汚染されている危険性が高いため、使用を控えていただくよう今後も要望を続けていきたいと思います。

 また、「学校や園、校外学習で採取した野菜等(測定されていない物)を子どもに食べさせることを控える」ことについては、「保育園では栽培した野菜を園児が食べる際は、給食と同様の衛生的な工程を経て提供しています。野菜等を栽培してそれを食べることは、食育の観点からとても大切だと考えていますので、今後も、安全性に留意しながら行っていきます。なお、校外学習(野菜の採取など)の日程は、各園が野菜の出来具合や天候等により、そのつど決めて実施しています。」とあります。子供たちの成長にとって、野菜を栽培すること、土をいじることが大切であることは理解できます。会が問題にしているのは食育を大切にするか否かではなく、あくまでも、園が育てる野菜から放射性物質が検出される危険性がないかということです。
 先日文部科学省が公表した「都道府県別環境放射能水準調査(月間降下物)におけるストロンチウム90の分析結果について」には、昨年の原発事故以降首都圏に降り注いだ放射性物質は、事故前11年間の最大値を上回る値が計測されたとあります。ストロンチウム90だけでなく、セシウム134、セシウム137も測定されいます。
 先ほど紹介した墨田区内の荒川河川敷(八広)の土壌から4万2000ベクレルの放射性物質が計測されたことなどふまえても、東京都内の土壌は放射性物質で汚染されていることは間違いのない事実です。この事実を踏まえた対応を墨田区として行なっていただきたいと思います。昨年の3月以降、日本は非常事態であることを再認識していただきたいと思います。
 子供たちの成長を守るためにも、区として放射性物質による汚染状況をつかんでいただきたいと思います。そうでなければ、園で育てた野菜がすべて安全だとは言えないと思います。

⑥「お弁当の持参、お茶持参」について
 区は「保育園の給食は安全であると考えていますので、弁当等を持参していただく必要はないと考えます。しかしながら、保護者の方がどうしても水や弁当の持ち込みを希望さる場合は、各園でご相談ください」と回答しています。
 しかし、これまで述べてきたように、墨田区は各保育園の給食を月に1回した計測していません。加えて、食材の購入先や、購入した食材から放射性物質が検出されているか否かなど公表はしていません。墨田区の給食は民間委託になっており、それを公表するか否かは委託している企業に任せるということなのでしょうか?少なくとも、保護者には、子供たちの口に入る給食で使われている食材の産地、購入先を知らせる努力をしていただきたいと思います。
 また、「水や弁当の持ち込みを希望する場合は、各園でご相談ください」とありますが、これは区としては責任はとらないという態度のようにも受け取れます。実際、現場ではどのようなことがおきているか、当会に寄せられる声には次のようなケースがありました。

 「給食につかわれる食材が心配だったため、お弁当持参の幼稚園を探した。毎日お弁当をもたせることができて良かったが、水筒だけは認めてもらえなかった。そのため、園内の保護者と相談し、幼稚園に通わせている保護者の過半数から署名をあつめ、水筒の持参を認めてもらえるよう嘆願書も提出したが、認めてもらえなかった。」
 園からは「安全性と管理の面から対応しない」といわれ、区に問い合わせると私立幼稚園や、越境を提案されたそうです。待機児童が多く、なかなか保育園や幼稚園に子供を預けにくい状況を、区が一番知っているにも関わらず、こういう対応をとっていることに怒りを覚えます。
 「各園でご相談してください」と回答にありますが、当会に寄せられる声の多くは、相談したとしても受け入れてくれないという声ばかりです。個人、各園の対応に任せるのではなく、墨田区としての基準を明確にしていただきたいと思います。例えば、お茶や水についても、保護者が不安を抱かないように、給食の対応と同じことですが、お茶の葉の購入先や、牛乳の購入先、生産者の紹介などをしていただきたいと思います。東京都の水からは「放射性物質は検出せず」…となっていますが、それでも不安を抱く保護者は、ウォーターサーバーやミネラルウォーターを購入し、子供に飲ませるものは別に用意する慎重に慎重をきしています。こういった保護者の気持ちをうけとめていただきたいと思います。

 会は、今後も給食や水筒、お弁当への対応や、放射性物質の測定調査・除染活動等々墨田区に要望していきます。みなさんのご意見お待ちしています。また、墨田区への問い合わせもお願いします。みなさんの意見、声が子供たちを被曝の脅威から守ります。がんばりましょう♫