3日間にわたってお送りしてきた
WOWOWの全仏オープンテニス
初の車いすテニス中継でしたが、
きょう決勝の放送でした。

解説・中澤さん

解説は、3日間を通じて
日本車いすテニス
ナショナルチーム監督の
中澤吉裕さんでした。

ありがとうございました。


各決勝戦の結果です。

--------------------

■男子シングルス決勝
国枝慎吾(ユニクロ)
○6-1, 6-0●
ステファン・ウッデ(FRA)


世界ランキング1位の国枝選手が
同2位のウッデ選手に圧勝!!

国枝慎吾
※写真は今年5月
ジャパンオープンでの国枝選手

注目された
ウッデ選手の新型車いす。

日本の一部スポーツ紙では
1,500万円と報じられていましたが
現地・フランスのスポーツ雑誌では
220,000ユーロとの記述がありました。
(1ユーロ140円で計算すると
・・・3,080万円!!)

いずれにしろ
それだけの本気度をもって
打倒・国枝に燃えているライバルを
全く寄せ付けないどころか
さらに引き離した感のある国枝選手。

その強さの秘密は、
丸山弘道コーチのBlogにありました。

http://tennis.jp/hiromichi-maruyama/

以下引用

--------------------

全豪終了後から、全仏制覇に向けての対策として、フィジカル、テクニカル、タクティカルを全て鍛えなおしました。特に2月後半から、4月初頭までは、相当厳しいトレーニングを行ってきました。

「試合で表現できることは、練習で表現できたものしか発揮はされません」

また、グランドスラムともなると、天候や気温でパフォーマンスが変わるのと同じように、会場の雰囲気や観戦くさだる観客が持つ独特の空気感ですべてが変わってきます。経験だけでは済まない問題が山ほどあります。

それに打ち勝つための練習を徹底的に行わなければ結果など出ないのです。

そうした中で、試合の「質」と「結果」を見事に形として表現した、国枝選手はとんでもない化け物だと言わざるを得ません。


--------------------

一方で、
そうした部分を全く見せず
笑顔で爽やかに圧勝した国枝選手

カッコヨスギマス!!

まずはシングルスで
2年連続6回目の全仏オープン優勝

グランドスラムシングルス
通算19回目の優勝となりました
(GS格付前の大会も含む)

--------------------

■女子シングルス決勝
イスケ・グリフィオン(NED)
○6-0, 6-2●
アニエク・ファンクォト(NED)


もう1人の世界ランキング1位
上地結衣選手(エイベックス)を
破って決勝進出のファンクォト選手と、

今年の全豪を制した
グリフィオン選手とのオランダ対決。

オランダは、先週トルコで行われた
国別対抗戦ワールドチームカップ
(デビス杯、フェド杯に相当)で
女子30回中、28回目の優勝を飾った
まさに車いすテニス最強国です。

この試合では
思わぬスコアの差が開きましたが
上地選手も含めて
女子は実力拮抗と言えそうです。

--------------------

■女子ダブルス決勝
グリフィオン(NED)/ファンクォト(NED)
○(1)6-7, 6-3, [8-10]●
上地結衣(JPN)/ワイリー(GBR)


上地選手の雪辱戦!!
ジョーダン・ワイリー選手とは、
昨年、4大大会全てで優勝し
ダブルス年間グランドスラム達成。
今年のグランドスラム初戦
全豪オープンでも優勝した最強ペア。

一方、
女子シングルス決勝を戦った
オランダペアも一昨年の
年間グランドスラムを達成し、
しかし昨年からは
グランドスラムでは上地ペアに全敗。

お互いにとって雪辱戦となりました。

予想通りの大接戦で
セットカウント1-1で迎えた
10ポイントマッチタイブレークへ
(10ポイント先取で試合が決着)

わずか2ポイント差およばず
上地ペアは準優勝でしたが
グランドスラムでの準優勝!!
それでもすごいことです。

上地結衣選手
※写真は今年5月
ジャパンオープン優勝の上地選手

でも、上地選手は
敗戦後のインタビューで
早くも次のウインブルドンへの
抱負を語っていました。

パートナー・ワイリー選手の
地元でもあるウインブルドンで
必ず雪辱してくれると思います。

※なおウインブルドン大会
車いすテニスはダブルスのみ。

もちろんWOWOWで放送されます

--------------------

■男子ダブルス決勝
国枝(JPN)/ リード(GBR)
○6-1, 7-6(1)●
フェルナンデス(ARG)/ペイファー(FRA)


国枝慎吾選手が
シングルス・ダブルス2冠!!

23歳の若手
ゴードン・リード選手と
先月のジャパンオープンに続き
2度目のペアで連続優勝。

ウッデ選手のペアを破った
グスタボ・フェルナンデス選手と
ニコラ・ペイファー選手、
21歳と24歳の挑戦を退けました。

こうした若手の中に混じった
31歳の国枝選手ですが
やはり抜群の存在感。

「若手が伸びてきているなか、3ヶ月、半年、1年というスパンで、そういった若手よりも、自分自身が一番変わったぞという風に言えるような練習をしていきたいと思っていますし、今のところは他の誰よりも僕が一番成長しているかなと思います」

そう自ら語った言葉を
プレーで自ら証明してみせました。

ダブルスでも
2年ぶり6回目の全仏オープン優勝

グランドスラムダブルスも
通算19回目の優勝となりました
(GS格付前の大会も含む)


最後に
ITF(国際テニス連盟)の
公式ニュースで伝えられた
国枝選手のコメントをご紹介します。

--------------------

Kunieda was particularly excited to know that his family, friends and tennis fans were being given the opportunity to watch the Roland Garros wheelchair tournament, which was being live streamed by WOWOW TV.
“I’m very happy about it,” Kunieda said. “It’s very good for promotion of wheelchair tennis, and wheelchair tennis will be getting popular at home in Japan.”

国枝選手は、家族、友人、そしてテニスファンが、WOWOWの中継で全仏オープン車いすテニスを観戦することができたことを知って、特に興奮していました。
「とても嬉しく思います。車いすテニスのプロモーションのために非常に良いことだし、私の母国・日本で車いすテニスはもっと人気が出るでしょう」


http://www.itftennis.com/wheelchair/
--------------------

この3日間
WOWOWが世界でおそらく初めて
グランドスラム大会の
車いすテニス放送を行いました。

そんな歴史的放送に
関わることができて幸せでした。

ご覧いただいたみなさま
本当にありがとうございます。

一度、ご覧いただけると
車いすテニスの凄さ、面白さ
アスリート能力の高さなど
いろいろ感想を持たれたと思います。

それをぜひ周りのみなさんに
お話しして頂けたらと思います。

「車いすテニス面白かったよ」
「国枝選手がまた優勝したんだよ」
「2バウンドまでOKらしいね」
「何千万円もする車いすだってー」

何でもいいので(笑)