以前、ボーカルのミックス処理で困っていたことに、ボーカルの声に含まれる「歯擦音」が処理しきれないという問題があった。
歯擦音というのは、舌を細めて歯の裏にあてて空気を出すようにしゃべる時に発生する摩擦音の事で、「さ」や「し」といった文字を発音する際に障子つような生じるような音だ。
ボーカルの録音の仕方によっては、この歯擦音はかなり軽減出来て、ほとんど処理しなくても良い場合もある、という事が何かの音楽雑誌に書いてあったのを覚えている。
ただ、DTMで自宅での録音を行っている場合、歯擦音だけでなく、ホワイトノイズもマイクの音に入りまくるし、とにかくボーカルの音声処理は必須だった。
だけど、歯擦音の処理だけがイマイチできなくて困っていたところ、いろいろ調べていくと、ディエッサーというエフェクターを使えば、「さ」や「し」などに含まれる子音の尖った音を無くす、または軽減する事が出来るという事だった。
Lisp というプラグイン
そして、ディエッサーのVSTプラグインを探し始めた。
私はReaper という無料のDAWソフトを使用しているので、VST規格のプラグインじゃないとDAWから読み込んで使用する事が出来ない。
なので、VST規格のプラグインという訳だ。
探し始めてに十分くらいですぐに見つかった。
「Lisp」というディエッサー。
デザインの見た目も悪くないし、ツマミなんかも多すぎず、なおかつ、必要な処理機能のためのツマミは備えているようなので、「Lisp」というディエッサーを使用してみる事にした。
すると、あっという間にボーカルの歯擦音を軽減する事が出来た。
そうなのだ。ミックス処理の多くは、エフェクタータイプのプラグインで処理を施せば案外簡単に問題解決するのだ。
歯擦音の軽減のために、イコライザーで高音域の周波数を削ってみたり、やコンプのアタックなんかを色々と調節してみたりしていたのが馬鹿馬鹿しくなる。
今度からは、そのミックス処理に対応したエフェクター系のプラグインがないか調べてみる事にする。