テホグンを打ち負かそうなんて これっぽっちも思ってない
ただ ただ 手合わせをしてもらいたい
こんな機会は もう二度とやって来ないだろう
真正面に立ち 正眼の構えで テホグンの気をとらえる
少しも揺るぎない気
ただ 先程より 気をコントロールして弱めている
ここだと 一振り 軽く払われ
もう一振り
「姫様 もう お止め下さい」と マサが止めに入る
「だめだ
テホグン 私くしでは 相手にならないと思いますが
もう少し 手合わせをお願いします
皆が 私くしを守ってくれてはいますが
この先 いつ 何時 何か あるやもしれません
その時 自分の身を守れるだけの力は 蓄えておきたいのです
ですので もう少し 手合わせ お願いします」
「ミオ姫 あなたと言う お方は・・・・
何か あれば ここにいる全員が お守りいたします
ですので これ以上は お止め下さい」
ここにいる皆が
「そうです そうですとも お守り致します」と 言ってくれている
「ありがとう ありがとうございます 私くしは 敵国の姫なのに・・・」と
目にいっぱい涙をためている
それでも 涙を拭き
「お願いします」と また
今度は 脇構えから スーッ と 近づき 一振り
軽くいなされるが 体制を整え
テホグンの懐近くに入り
そっと 腕に手を掛け 触るように 手を置く
その時
ガックと テホグンが 崩れ 跪く
ミオ姫が 近づいて来たと思った 瞬間
なぜか 力が スーッと抜けて 跪いていた
その瞬間 目の前に起きている状況が 皆 把握出来ず
信じられないものを 見ているようだった
彦と マサが
「姫様 出来ましたね」と 褒めてくれた
テホグンが立ち
「ミオ姫 今 何かしましたか」
「ううん 何もしてないわよ ちょっと 座ってもらっただけ」と
また テホグンに近づき 腕に手を掛け そっと添わせるように手を置く
と また テホグンが ガックと崩れ落ちた
ザワザワしだした 皆に
「これは 倭国の武術の一つ 合気道と言うものです
なかなか 習得が難しく やっと出来るようになったばかりで
テホグンを相手にしてしまい すみません」
急遽 合気道を教える事に
特にムガクシの女の子達には 覚えて欲しい
力が弱い女の子でも 男の人を倒せる とまではいかなくても
次の 一手を考えられる もしくは 逃げられる
この時代の接近戦は かなり危ないが いざという時の為
覚えておくのも手だと思う
「いや~ なんとも ミオ姫には いつも驚かされぱなしですな
こんな鍛錬まで されていたとは
しかし あくまでも いざと言う時の為ですからね
あまり 無茶はなさらないで下さい
我々の寿命が縮みます 特に テジャンの」と
王様に 釘を刺された
「はい そのように致します」と 王様に返事をし
「皆さん お騒がせして すみませんでした」と 皆にペコリと頭を下げ
テジャンのそばへ行き
「テジャン ごめんなさい 心配を掛けました」と
言いながら テホグンと同じように 腕に手を添えた
瞬間 膝から 崩れ落ちた
アッっと言う 顔をしたかと思ったら
「ミオっ 」と 久しぶりに 怒られた
舌をペロッと出し
「ごめんなさい」と言いながら 訓練場を後にした
残されたチュンソクは
「まったく どうしようもないな あいつは」と
独り言を ぶつくさと言っている
王様が 「まあ いいではありませんか
あのように元気になられて 兄さんも ひと安心ではありませんか」
「王様!! 兄さんなどと お呼びくださるな」
「いやいや 父上は 兄上に いい人を選んで下さった
そう 思いませんか ヨン兄さん」
「王様!! 兄さんなどと 呼んではいけません」
「今は そう呼ばせて下さい
私はこの上なく 幸せな弟で 嬉しいのです
いい嫁を娶り いい兄上が二人もいて
そして 兄上の嫁も 二人とも良い方々で こんな幸せはありません」
「王様 なんと 勿体ないお言葉」と
テホグンと テジャンが 二人同時に言う
「さあ 今日は飲みましょう 実にいい気分です」と
満足そうに 訓練場を後にした
~続く~