ホラー映画を地で行くような、カストロ3兄弟による戦慄の連続誘拐監禁容疑に注目が集まっています。アメリカ・オハイオ州で起こった事件の監禁期間は、10年にも及んでいます。
容疑者は52歳のアリエル・カストロ(Ariel Castro 52)。
そして、2歳下の弟オニル(Onil 50)と2歳上の兄ペドロ(Pedro 54)の3容疑者。
中心人物と推測されているアリエル・カストロ容疑者は、ドメスティックバイオレンス(DV)の罪で1993年に逮捕されています。1996年にも近隣住民とのトラブルで訴訟になり、241ドルの支払いを命じられました。
報道されているように、バスの運転手(Cleveland Metropolitan School地区)を職業としていましたが、2012年11月に解雇されています。運転中のトラブルを6回起こし警察沙汰になっていました。
2012年に亡くなっている彼の元妻(Grimilda Figueroa)は、鼻や肋骨を折られる激しい暴力で彼を訴えていました。
アリエルカストロの娘(Emily Castro)がJanylaという名前の11ヶ月の赤ちゃんの喉を切った殺人未遂の事件でインディアナで25年の刑に服役していると報道されています。事件との関連は不明です。
3容疑者に疑いがかかっているのは、下記の3件について。
■ミシェル・ナイト (Michele Knight)失踪
2002年8月22日 West 116th Street and Lorain Avenue
親戚の家を出た後姿を消す(当時20歳)
■アマンダ・ベリー (Amanda Berry)失踪
2003年4月4月21日 West 110th Street and Lorain Avenue
アルバイト先のバーガーキングを出た後姿を消す(当時16歳・誕生日の前日)
■ジーナ・デヘスース (Gina DeJesus)失踪
2004年4月2日 West 105th Street and Lorain Avenue
午後3時に公衆電話での目撃を最後に姿を消す(当時14歳)
失踪したジーナさんの通う学校の近くで、25歳くらいのヒスパニック系の男性(身長178cm・体重80kg前後)が運転する、白もしくはライトブルーの車の目撃情報が報告されていました。
■似顔絵
アンダーラインを付けた住所を見ると分かるように、非常に近い場所で起こった3件の誘拐・失踪事件。現在のところ被害者は4人であると報道されています。上記の3件に加え、2番目に発生したアマンダ・ベリーさんの娘(6歳と報道)がアリエル容疑者の自宅で発見されたとのこと。
2009年8月26日に解放されたJaycee Lee Dugard(ジェイシー・デュガード)さん※監禁事件の時と同様、容疑者との子供を出産している可能性があるようです。
(※)≪米カリフォルニア≫少女監禁事件
事件は1つのアクションから解決に向かいました。
監禁現場の近隣に住むチャールズ・ラムジーさん(Charles Ramsey)という黒人男性が、ある家から女性の助けを求める悲鳴と声を聞いたのです。鍵の掛かった扉は少ししか開かないため、扉の下部を蹴破り、中にいた6歳の少女を抱いたアマンダ・ベリ-さんを救ったのでした。
彼は黒人男性が白人女性を救出したことに疑いの目を向けられることを不安と感じ、すぐに911に電話をすることを彼女に勧めました。
"Help me; I am Amanda Berry. I've been kidnapped and I've been missing for 10 years. And I'm here and I'm free now."
「助けて!私はアマンダ・ベリー。私は誘拐され10年間行方不明だったの。私は今自由になったの」
■その音声
被害者は脱水症状と軽い栄養失調だったようですが、MetroHealth Medical Centerでの診断では大きな問題はなかったとのこと。かなり狭い範囲での事件のため、警察の動きに問題はなかったのかと批判の声が高まっているようです。事件現場に2004年1月、警察官が訪れましたがそのまま立ち去っていました。そして、近所から裸の女性が庭にいるとの通報などがあったにも関わらず、警察はこの家で起こっていたおぞましい出来事を止めることが出来なかったのです。
DVの前科があるアリエル・カストロ容疑者が、2つあるとされる地下室で4人の被害者を暴力により支配していたであろうことは想像に難しくないわけですが、今後の取調べにより詳細が分かると思われます。
映画では1人が犯人と思いきや実は一家が殺人犯という話がありますが、今回の件、3人の容疑者にどのような繋がりがあったのかなど、考える面の多い事件になりそうです。
年間数万人の行方不明児童が存在すると言われるアメリカの闇が今…
■Amanda Berry Returns Home