Z市の防災協議会に参加しているが、隣県のS県A市の防災協議会に参加させていただいた。それというのも、災害時に地域FM放送が役立った、という講話があり、専用の受信機をA市の自治会に無償貸与する、という例をその講話で行うということだ。

 

講話では「株式会社コミュニティシェアFM」の営業の方と元自衛官の統括本部長から講話をいただく。S県の隣接4市でのFM放送を主体としているが、FMラジオを貸与しての「緊急放送」や「災害情報」というのはこの4市の中のA市のみとしているとのことだ。営業の方から、災害時の「コミュニケーション」についての例示がホールの大スクリーンで説明される。これは総務省の「コミュニティFMの災害時における放送の確保について」の資料の一部を用いて説明がなされた。

 

都道府県別のコミュニティ放送事業者数(経営形態)令和2年2月末現在 では、地域密着型のFM放送局は北海道・沖縄・鹿児島が突出しているが、次に目を向けると、阪神大震災のあった「大阪府」「兵庫県」が平成7年に開局が多く、以降、3年ほど、各地でFM局の開局が多くなった。そして、平成16年、東日本大震災では、東北の各県・各市町村の開局がラッシュとなる。

 

地域コミュ二ティラジオ局の開設推移

 

都道府県別地域コミュニティ放送局数

資料は上述の総務省資料より

 

インターネットを利用して、「ツイッター(現在は X )やLINEでコミュニケーションを取った」とよくマスゴミでは言われているが、所詮、「個人」の発信であり、「デマゴーグ」も発生しやすい。その点、ラジオ局にはA市の危機管理室を中心とした、公共機関(警察・消防・自衛隊)もタイアップし、初動からの対応に備えようとしていることがわかった。

 

初期段階では被災状況の確認などが中心となるが、中期では、「安否確認などの情報」「災害支援物資の配布などの連絡」「インフラの復旧状況」などの告知が中心。そして、終期は「被災者の心理的健康維持(被災の不安感の緩衝)」へと段階的に進んでいく「コミュティ放送局の役目」が説明された。

 

地域放送局なので、出力は大きくない。1W〜10Wと、一般のラジオ局が300KW、500KW(いずれもNHK)などと大出力であることを思えば、アマチュア無線局と変わらず、ましてやFM局となれば、カバーできる範囲は狭くなる。しかし、それを活かしての「地域防災」を支援していく姿は、頼もしい。

 

当日、自治会長など防災組織代表者に無償貸与された専用ラジオ

 

参加されたA市の自治会長(含:防災組織代表)からの質問は、「この専用ラジオは常に電源を入れておかなければならないのか」:答えはNO 自動で緊急放送を受信し、フラッシュ光と音声で通知する 「従来の「有線防災放送」とかぶらないのか」:答えはNO 並行的にはなるが、有線の防災放送よりは細かな対応ができる 「危機管理室の職員が割込放送できるのか」:答えはYES 危機管理室員は放送会社と特殊電話番号で放送を行う設定が全員にされている。いつでも・どこでも、対応が可能である。

 

などなど、なかなか、コアな質問もあり、また、「株式会社コミュニティシェアFM」の統括本部長さん・ご担当の方も熱心に回答されており、微笑ましく思った。今度の転居先のS市でも対応はできているのだろうか。統括本部長さんとお話しをさせていただいたが、まだ、こういった機器(ラジオ)を配布(無償貸与という形式)はA市が初めてなのだそうだ。出力などの関係もあり、お住まいのW市にも届かないということで、段階的に4市で運営できる形式にしていきたいとの抱負を持たれており、元自衛隊の方で東日本大震災の惨状を実際に見、実際に災害支援本部でのご体験を持たれた発言には聞き入る場が多かった。

 

平成23年版 情報通信白書より

 


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